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一生モノのファイナンス入門
【第5回】 2016年4月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
朝倉智也

ファイナンスの理解に必要な会計の基本(4)
――キャッシュフロー計算書は「3つの袋」を見る

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「ファイナンス」や「ファイナンス理論」と聞いて、みなさんはどんなことを連想しますか? ファイナンスとは端的に言えば、「企業や事業の価値を最大化するためにはどうすればいいかを理論的に考えるためのツール」です。本連載では、モーニングスター株式会社代表取締役社長の朝倉智也氏の著書一生モノのファイナンス入門の内容をベースに、ファイナンスの基本のキからわかりやすくお伝えしていきます。

企業のキャッシュの流れを示したもの

 キャッシュフロー計算書とは、その名の通り、企業のキャッシュ(現金)の流れを示したものです。

 上場企業に開示が義務づけられたのは2000年のことなので、貸借対照表や
損益計算書と比べると馴染みが薄いといえるかもしれません。

 しかし先に見たように、現金の流れを確認することは企業が置かれている状況をつかむ上で、極めて重要なポイントとなります。

 キャッシュフロー計算書を見る際は、まず「3つの袋」を確認します(下図参照)。

 

 1つめは「営業活動によるキャッシュフロー(営業キャッシュフロー)」です。これは、企業の本業から上がるキャッシュを示します。プラスであれば事業がうまくいって利益が出ている状態、マイナスの場合は事業がうまくいっていない状態だといえます。

 プラスが望ましいといえますが、成長期にある企業の場合、赤字でも問題ないと判断できるケースもあります。

 2つめは「投資活動によるキャッシュフロー(投資キャッシュフロー)」です。これは、企業が設備や有価証券等に投資したり、売却したりした際のキャッシュの流れを示します。

 一般には、積極的に投資をすることでこの「袋」がマイナスになっているのが企業のあるべき姿だと考えていいでしょう。プラスの場合、資産を売却して現金化を進めているということですから、手元の現預金が不足気味ではないかと予想されます。

 3つめは「財務活動によるキャッシュフロー(財務キャッシュフロー)」です。これは、借り入れや株式の発行による資金調達をした場合はプラスになります。

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朝倉智也(あさくら・ともや)  [モーニングスター株式会社 代表取締役社長]

1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、1995年米国イリノイ大学経営学修士号取得 (MBA)。その後ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資産運用全般、子会社の設立および上場準備を担当。1998年、モーニングスター株式会社設 立に参画し、米国モーニングスターでの勤務を経て、2004年より現職。第三者の投信評価機関として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投 資家の的確な資産形成に努める。 主な著書に『〈新版〉投資信託選びでいちばん知りたいこと』、『30代からはじめる 投資信託選びでいちばん知りたいこと』(ともにダイヤモンド社)、『低迷相場でも負けない資産運用の新セオリー』(朝日新聞出版)がある。

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