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出口治明の提言:日本の優先順位

新社会人よ、「人・本・旅」で自らを磨こう

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第143回】 2016年4月9日
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 新社会人の皆さん、就職おめでとう。学生から社会人になった皆さんは、おそらく期待と不安がないまぜになった状態でいるのではないかと思う。そこで僕から皆さんにいくつか話をしてみたい。

この国ではまず
食いっぱぐれることはない

 わが国は先進国の中では、少子高齢化が最も進んだ超高齢社会となっている。労働政策研究・研修機構(JILPT)の推計(PDF、2015.12.16付)によると、わが国の労働力人口は、現状維持(ゼロ成長、労働参加現状)が続くと仮定すれば2030年には2014年と比較して約800万人減少すると見込まれている。800万人という数字がいかに大きなものであるかは、例えば北欧諸国の人口(スウェーデン960万人、デンマーク560万人、フィンランド540万人、ノルウェー500万人)と比べてみるとよく分かる。

 歴史を見ると、若者にとって最も不幸な状態は俗にユースバルジ(若者の膨らみ)と呼ばれる現象であることが分かる。即ち若年層の人口が大きくなると(例えば3割超)、雇用機会が自ずと限定され、社会で勝ち抜く競争率が格段に高くなる。

 そうなると若者に残された道は「海外移住、犯罪、テロ、内戦、革命、少数派の迫害、対外侵略「(グナル・ハインゾーン「自爆する若者たち」)などとなってしまい社会が不安定になる。現在の中東情勢などはまさにユースバルジが具現化した好例ではないか。わが国はユースバルジとまさに対極にある社会だ。これだけの労働力不足が見込まれているということは、元気で働く意欲さえあれば、そして職種を選り好みさえしなければ、みなさんは絶対に食いっぱぐれることはないとうことだ。

 みなさんの今の職場は、おそらくさまざまなご縁(あるいは偶然)の結果として、選ばれたものだろう。「石の上にも3年」という名言があるが、最初は、どのような職場であれ最低3年は一所懸命働いてみることをオススメしたい。ヒトの経験則として何かに3年打ち込めば、何らかの技能や技術が身に着くと言われている。それからゆっくり考えればいい。

 職場と相性が良ければそのままずっと働き続ければいいし、どうしても職場に合わないと思ったら転職すればいい。必ずしも置かれた場所で咲く必要はない。置かれた場所で咲ければいいが、咲けなければ、自分が咲けるような場所を新たに見つければいいだけの話だと考える。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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