ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

良くできた企画書なのに上司がイエスと言わない12の事情

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第41回】 2016年4月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
なぜ上司は企画を通してくれないのか?その背景には様々な事情があるようだ

 ここまで、「ウチの会社は提案(企画)が通らない」という人の初歩的な問題点と、提案としての合格ラインには達しているものの、会社や上司から見て「魅力的でない」企画について具体的に解説してきた。

 「提案が通らない理由」シリーズの最終回である今回は、提案としてはアリだが、「GOを出せない理由がある」という、“D”のジャンル(下記参照)について解説する。これは、提案としてはOKラインに達しているのだが、どうしても「GO」を出せない「隠れた事情」があったり、「なんとなく嫌だ」という感覚的な理由で却下されてしまったりするケース。どうにもならないものもあるが、こちらの努力次第で風向きが変わるものもある。一つずつ見ていこう。

<提案が通らない理由>
A、そもそも、あなたに提案する「資格がない」(理由1~4)→前々回
B、内容が提案として「成立していない」(理由5~13)→前々回
C、提案が会社や上司から見て「魅力的でない」(理由14~26)→前回
D、提案としてはアリだが、「GOを出せない理由がある」→今回解説

会社と上司の事情をよく理解した上で
提案できているか?

27、「聞いたばかりで、すぐには決められない」

 Dに分類される1つめの理由は、「すぐには決められない」。つまり、上司がまだ内容を十分に消化できておらず、意思決定するにはもう少し時間が必要だということだ。私もいくつもの失敗の末にやっとわかってきたのだが、「(頭で)理解した」ということと、「(心で)納得した」ということ、「(意思決定として)やってくれ」と言うのとの間にはそれぞれ隔たりがある。

 とくに、それらの3段階を短時間で駆け抜けようとすると、「何か漏れがあるのではないか」、「NGな理由があとになって出てくるのではないか」といった不安を上司の心に湧き起こすことになる。最初に企画を打診するところから結論をもらうまで、物理的に一定以上の時間を確保することは結構重要なのである。一発OKで決裁をもらおうとするより、報告や相談を2~3度行ったうえで、自然に決裁してもらうほうが、結局早くOKをもらえる。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

⇒バックナンバー一覧