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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

あなたの提案が却下される理由は「上司の断り方」でわかる

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第39回】 2016年3月28日
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あなたの企画書は、どこに問題があったのだろうか?

 「ウチの会社は提案(企画)が通らない」という人は多い。自分も昔はさんざん愚痴ったので、その気持ちもわからなくないが、逆の立場になって見ていると、提案が通らないのには理由があることに気づく。ケースごとに異なるものの、「何となく通らない」わけではなく、それぞれに理由があるのだ。そして、ほとんどのケースには対処法がある。これまで数多の提案が拒否される場面を見てきた経験から、「提案がなぜ通らないか」を、前・中・後編でお届けしよう。

 提案が通らない理由は大きく分けて4つだ。

A、そもそも、あなたに提案する「資格がない」
B、内容が提案として「成立していない」
C、提案が会社や上司から見て「魅力的でない」
D、提案としてはアリだが、「GOを出せない理由がある」

 提案としての完成度はAからDへ進むに従って上がっていく。A、Bに関しては、「もう少しきちんと企画に仕上げよう」と言うべきか。「通らなくても当たり前」の世界である。しかし、実感値としては、8割くらいは、A、Bのレベルである。

 では、具体的に上司の「断り言葉」に即して解説していこう。

「立場」や「正当性」がない提案は誰も聞いてくれない

 Aに分類される理由は、提案者の「立場」や「正当性」に問題がある。それが確保されていない提案には、上司から結構厳しい言葉が帰ってくる。

1、「百年早い」

 Aに分類される1つめの断り言葉は、「百年早い」。つまり、「半人前の人間がいっちょまえに提案なんかしてくるな」である。下積みの間は発言権などない、という考え方の上司にとっては、若いというだけで提案を拒否する理由になってしまうのだ。頭ごなしに言うのもどうかと思うが、経験の少ない人材の提案がヒットを打つ確率はたしかに低い。統計的、経験的に見て「聞く価値がない」と判断されても仕方のないところではある。

2、「お前は何様のつもりだ」

 これは、営業の立場で製造の部署に提案をした場合など、何らかの「越境」があった際によく使われる言葉である。ヨコの協力関係がしっかりとした会社なら問題ないが、部署同士で足を引っ張り合ったり、他部署に対して「何もわかってない!」と愚痴りあっているような会社では、他部署からの提案は往々にして歓迎されない。

3、「結果を出してから言え」

 やや「1」にも近いが、「自分のやるべきこともできていない人間が新規の提案なんかしている場合じゃないだろう」ということだ。残念ながら、これに関してはぐうの音も出ない。相手は結果を求めているのだから、聞く気にさせるためにも自分の持ち場で実績を残そう。そして、改めて提案する以外に方法はない。

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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