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三菱自動車という不正を繰り返す企業は社会に必要か?

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第425回】 2016年4月26日
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長続きするとは考えにくい
M&Aの可能性を探る方が有効

幾度となく改革のチャンスがありながら、その企業文化を変えられない企業が社会の中で、そのままの姿で存続を続けてよいだろうか Photo by Kouichirou Imoto

 4月20日、三菱自動車の相川社長は、同社が製造する4車種の軽自動車について燃費を良く見せるために不正を意図的に行っていたと発表した。実際には、タイヤの抵抗などの数値を意図的に操作していたという。

 三菱自動車と言えば、2000年、2004年にもリコール隠しが発覚し、利用者などの信頼を大きく裏切った前歴がある。今回のケースでも、今回不正の対象となる車の数は約62万台にのぼり、同社の販売台数の約6割を占めるという。

 今回の報道を見ると、「これだけ何度も不正を繰り返す三菱自動車という企業は、社会にとって本当に必要なのだろうか」という素朴な疑問が出る。

 リコール隠しが表面化した後、同社の業績は顕著に悪化し、一時期、その存続すらも怪しくなる状況だった。それに対し、三菱グループを中心に強力な支援策が講じられ、何とか命脈を保った経緯がある。

 それにもかかわらず、また不正行為を繰り返してしまった。

 その背景には、競争の激しい軽自動車の分野で、ダイハツやスズキといった2強の後塵を拝したことがあるようだ。その遅れを取り戻すために、同社自身が焦りを持ち不正行為をせざるを得なかったという説明には、それなりの説得力があるかもしれない。

 しかし、ある分野で競争力を失った企業は、ごまかしの不正行為で一時的に淘汰を避けることができても、それが長続きするとは考えにくい。むしろ企業経営者とすれば、他の企業とのM&Aの可能性を探る方が有効な経営戦略であるはずだ。

 不正行為を繰り返す三菱自動車は社会のために本当に必要なのか、真剣に考えてみる時期が来ていると思う。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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