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川崎老人ホーム事件、介護現場でなぜ殺人・虐待が起きたのか

2016年5月2日
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殺人の疑いで元職員の逮捕者まで出したメッセージだが、介護業界ではそれなりに高い評価を得てきた。その企業がなぜ、多数の不祥事を生んだのか、その原因に迫った。(ダイヤモンド・オンライン編集部 山本猛嗣)

「あのメッセージさえも」という
業界関係者らの驚きの声

 2015年9月に報道された子会社の積和サポートシステムが運営する介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で連続発生した3件の転落死(後に元職員が殺人容疑で逮捕)。これ以外にも、他のメッセージの施設で相次いで発覚した虐待などの事件・事故──。

 これらは、医療や介護関係者にも大きな衝撃を与えた。同時に「あのメッセージさえもこんなことが起こるとは予想できなかった」という驚きの声も多くあった。

 というのも、メッセージは“業界の先駆者”として、それなりに高い評価を得ていたからだ。

 メッセージは、かつて高額な入居一時金を当然のように取っていた有料老人ホーム業界において、入居一時金ゼロで月額利用料が首都圏でも20万円前後という画期的な低料金システムの「アミーユ」を軸に展開してきた。

 いまでこそ、入居金ゼロの格安な老人ホームは珍しくないが、当時は画期的であった。

 低コストを実現できたのは、合理化が進む外食産業や流通業のノウハウを採用したからだ。食事はあらかじめ工場で調理した食品を用いるセントラルキッチン方式、初期投資の抑制のために建物を地主に建ててもらって借り上げる賃貸借方式など、合理的な手法を次々にホームの経営に導入した。

 単純に安さだけを追求したわけではなかった。「安かろう悪かろう」の老人ホームならば、業者間の競合が激しい中、高い評価を得ることもなかったし、これほど成長することもなかったはずだ。

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