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連続殺人が起きた川崎老人ホーム親会社、身売りの舞台裏

2016年4月30日
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慢性的な人材難に悩む介護業界。昨年来、老人ホームでの虐待や事故が相次いで発覚した。優良とみられたホームもあり、それだけに、ショックは大きい。介護施設では人手不足を背景とする職場環境の悪化で虐待や事故、トラブルが相次ぎ、身売りや経営難につながるケースも多発している。激震走る介護業界の舞台裏を探った。(ダイヤモンド・オンライン編集部 山本猛嗣)

「ひとごととは思えない」という
老人ホーム経営者の声

 「とても人ごととは思えない」──。ある大手老人ホームの経営者は、ため息をつきながら話す。

Illustration by Yumiko Hoshino

 それは、神奈川県川崎市の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で起こった連続3件の転落死で元職員が殺人の疑いで逮捕された事件についての発言だ。

 この事件は、介護業界3位のメッセージの子会社が運営する施設で起こった。他のメッセージグループの施設でも職員による虐待や事故が次々と表面化し、介護業界は戦慄した。

 ある厚生労働省関係者は「過去、問題が起こるのは、ヤマっ気のある異業種出身の経営者が経営する介護施設が多かった。しかし、メッセージはバリバリの介護系で創業者の経営トップは医師。当然、従業員教育はしっかりしていた企業と思われていた」と説明。続けて「そのメッセージでさえもこのありさま。現在、行政に報告されている虐待や事故は、“氷山の一角”にすぎないのだろう」と指摘する。

 厚労省によれば、2015年度に確認された介護施設職員による虐待は300件、前年度の221件に比べ、35.7%増えている。

 虐待の発生要因は、「教育・知識・介護技術等に関する問題」が62.6%と最多、次いで「職員のストレスや感情コントロール問題」 が20.4%を占める。

Illustration by Yumiko Hoshino

 つまり、ストレスにさらされる過酷な介護現場で、知識や介護技術に乏しい介護職員に頼り切って運営している介護業界の実態が透けて見える。

 しかも、虐待が認められた300件の施設のうち、59件(19.7%)が過去に何らかの指導を受けており、過去に虐待が発生していたケースも4件あった。

 虐待は簡単にはなくならず、繰り返されている深刻な問題であることが想像できる。「ナースコールを無視する、あるいは断線するなどの軽微な虐待はよくあること。介護現場での虐待はゼロにはならない」(介護コンサルタント)。

 なぜ、虐待や事故が起こるのか。「人手不足が背景にある」と多くの介護関係者は口をそろえる。

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