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熊本地震、専門家が危惧する「次の展開」

西山大樹
2016年5月2日
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4月に立て続けに発生した熊本・大分での大地震。いまもなお地震活動は続いており、その発生場所は徐々に他方へと拡大している。さらなる大地震の発生を危惧する声も多く囁かれるなか、これからどういった展開をみせるのか。地震学者や地形学の専門家に今後の動向について聞いた。(取材・文/西山大樹[清談社])

地震は近隣の断層にも影響する
今後注意すべき地域はどこか?

 4月の14日と16日に熊本で起きた2つの大地震は、それぞれ活断層に起因するものだった。九州では周辺にもいくつか活断層があるが、熊本の地震をトリガーに、第3、第4の大地震が続けざまに起こる可能性はあるのか。

益城町など、揺れが激しかった地域では多くの家屋が倒壊した熊本地震。発生から2週間で有感地震は1000回を超えた。専門家たちは、周辺地域への広がりを懸念している  Photo:Abaca/Aflo

 「地震は断層の“ひずみ”によって発生しますが、ある断層で地震が起きた場合、その周囲の断層にも少なからず影響を及ぼします」

 こう解説するのは、京都大学防災研究所附属地震予知研究センターの西村卓也准教授。西村准教授は熊本での一連の地震が、さらなる大地震に続いてゆく可能性を示唆する。

 「今回の地震は、はじめに日奈久断層帯でマグニチュード(以下=M)6.5の前震が、続いて隣接する布田川断層帯で、M7.3の本震が起こりました。そしてさらにその後、布田川断層帯から北東に位置する大分県の別府-万年山断層帯でも、地震活動が続いています」

 西村准教授によると、約400年前に起きた「慶長大地震」のときも、九州から近畿まで、大きな地震が短期間のうちに連続して起こったという。

 「慶長大地震は、最初に愛媛で大規模な地震が発生し、続いて大分でも起こりました。そしてそこからさらに東にのび、関西にまで波及しています。ですので今回も、地震の影響が大分から東に進んだ場合、『中央構造線(九州から長野まで連なる断層帯)』沿いの地域や、そこから派生する六甲・淡路島断層帯などで、大地震が起きる可能性が十分に考えられます」

 大きな地震は「一度起きたら、しばらくは起きない」とも言われるが、約20年前に阪神・淡路大震災が起きた地域でも、再び大地震が起きる可能性はあるのだろうか。

 「内陸型の地震は『地域』でなく、『活断層ごと』に起きます。また、地震によっては活断層の一部だけが動き、残りの部分が割れ残っているものもあります。ですから阪神・淡路大震災を引き起こした断層の延長線上、あるいは隣接する別の断層では、まだまだ大きな地震が起きる危険性をはらんでいます。

 しかしながら、大分の別府-万年山断層帯から、四国方面の断層帯までは、やや距離が離れています。一方で今回、最初に大地震が起きた日奈久断層帯では、地震前にたまっていた“ひずみ”が解消されたのは北側の3分の1だけ。南の3分の2では、まだ“ひずみ”がたまっている可能性があります。ですので今、もっとも注意したい場所は本州の方ではなく、最初に地震が発生した日奈久断層帯の南側なのです」

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