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“一億総作家時代”の扉を開くか?
自分で電子書籍を作れる「パブー」の可能性

中島 駆 [フリーライター]
【第96回】 2010年8月17日
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「パブー」のトップページ。新着本、人気本、おすすめ本などのカテゴリーから好きな作品を選択できる。利用は無料。

 iPadやキンドルを牽引役として、にわかに活気づいてきた電子書籍市場。

 その一方で、来年よりグーグルが日本語書籍の配信「Googleエディション」のスタートを発表するなど、出版社やネット企業を中心に、コンテンツを提供する側の動きも目立つようになってきた。

 しかし、それら業界大手によるサービスは、早くとも今秋から年末にかけて稼動するものが多い。そんな中で、ウェブ上で誰もが簡単に電子書籍を作成・出版できるという驚きのサイトが立ち上がった。ネット上で自分の本棚を共有する「ブクログ」による新サービス「パブー」(Puboo)である。

 「パブー」の最大の特徴は、電子書籍の作成、公開、販売までの全てをウェブ上で行なえる点。作成できるページ数に上限はなく、でき上がった作品はPDFだけではなく、電子書籍ファイルフォーマット規格である「ePub」にも自動的に変換してくれる。

 つまり、通常のテキストファイルで執筆した原稿さえあれば、いとも簡単にiPadやキンドルで読むことのできる電子書籍を発表することができるのである。

 しかも価格設定は、作者の自由。無料で公開するか、あるいは10円から3000円の間であれば、好きな価格で販売することができる。売り上げが発生した場合、「パブー」側が30%の販売手数料を取り、残りの70%が作者へ印税として支払われる仕組みだ。

 そこで今回、さっそく「パブー」で自作の小説を発行してみることにした。試みたのは、原稿用紙40枚程度の短編小説である。

 まずとりかかったのは、表紙の作成。これは必須ではないものの、サイト上で自作を目立たせるためにも、やはり作っておいたほうがよいだろう。電子書籍と言えども、表紙はやはり重要である。

 同サイトによれば、縦1024ピクセル、横726ピクセルのサイズで表紙画像を用意すれば、最適に表示されるという。自分で撮影した写真などを加工して、オリジナルの表紙作りにチャレンジしたいところである。

 続いてページの作成。先述したようにページ数の上限はないが、1ページに書き込める文字数には限度がある。1ページ当たりおおよそ2000字程度を目安にしておくと、iPhoneなどでも読みやすい。

 でき上がった作品をiPhone/iPadで読むには、まずPCから「ePub」ファイルをダウンロードし、それをiTunesにドラッグ・アンド・ドロップする。その後、iPhone/iPadに同期すれば「iBooks」で読むことができる。

 原稿さえ揃っていれば、作品の電子化にかかる時間は数十分足らず。自費出版と言えばお金がかかるというイメージが強いが、電子書籍であれば、実に安く済んでしまう。近年の電子書籍化の波は、“一億総作家時代”の到来をもたららすと言えそうである。

(中島 駆)


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