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今週のキーワード 真壁昭夫

円が最高値を更新する確率は30%!
年末年始にかけて金融市場は混乱の渦に

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第138回】 2010年8月17日
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 最近、欧米諸国の経済低迷の長期化懸念もあり、ドル安・円高傾向が一段と鮮明化している。市場関係者の間からは、「円は今年中に1ドル=79円75銭の史上最高値を超える」との予想が出始めている。

 米国のFRBが、景気刺激のために一段の金融緩和策を打ち出す一方、日銀は、今のところ状況を見守る姿勢を取っている。そのため、消去法的にリスク回避通貨である円が買われやすい状況にある。

 ヘッジファンドなどの投機筋は円買いを仕掛ける姿勢を示しており、当面、円が強含みの展開にあることが予想される。

 現在の世界経済を見ると、日欧米はいずれも景気回復の足取りが重く、デフレ懸念を抱えた状況が続いている。そうした状況を打開するため、各国とも自国通貨を安くして輸出を伸ばす姿勢を鮮明にしている。

 わが国の政府が、具体的な円高対策を示さないと、投機筋からの狙い撃ちを受ける可能性が高い。今後、欧米経済の低迷が一段と顕著になると、年末から来年初にかけて円高傾向が一段と進み、1995年4月につけた最高値を更新することも考えられる。その場合、わが国の輸出企業への痛手が心配だ。

欧米の景気不安が円高に拍車を!
自国通貨安を狙う主要国の思惑

 足元で円高が進んでいる主な要因は2つある。1つは、米国や欧州諸国の景気低迷が鮮明化していることに伴い、自国通貨安を容認する政策をとっていることだ。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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