ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
経営のためのIT

イノベーティブな分野も成長すれば
ビジネス要件を満たすITが必要になる

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第56回】 2016年5月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

社会・産業のデジタル化の潮流の中で、企業はこの波に乗り遅れたり、飲み込まれたりすることなく、ビジネス機会と捉えてイノベーションを創出していくことが求められている。そのためには、ビジネスとITをつなぐ人材と組織体制が求められる。

ビジネスとITを
いかに結び付けるか

 デジタルイノベーションに向けた組織体制について考える前に、まずは、ITを活用したイノベーションに取り組む際のアプローチを整理しておこう。これまでは、ビジネス上の課題やニーズに対して、その解決策および実現策としてITを当てはめるという「課題解決型」のアプローチが主流であった。例えば、商品の納期や部品の調達のリードタイムを短縮したいという課題に対して、その解決策としてサプライチェーンの最適化を目指したデータ分析のソリューションを導入するというものだ。

 また、新技術の台頭を受けてビジネスへの適用を検討する「シーズ提案型」の場合も考えられる。例えば、無線ICタグ(RFID)の低廉化という技術シーズを受けて、倉庫での資材の棚卸しへの活用を検討するといった取り組みが考えられる。これらのアプローチは、間違っているわけではないし、今後廃っていくというものでもない。

 しかし、ビジネス環境の変化がこれまで以上に著しくなり、デジタル技術の進化と浸透がますます顕著となる時代においては、これらのアプローチに加えてビジネスとITのつながりを最初から前提としてイノベーションを創出するという考え方が必要となってくるだろう。

 すなわち、ビジネスやITの環境変化や将来動向を予見して、それらを結び付けることで生み出される新規事業の創出やビジネスモデルの転換を実現するアイデアを創出するアプローチを意味する。イノベーションの創出においては、この「アイデア駆動型」が有効な場面が多いと考えられる(図1)

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
IT&ビジネス
関連記事
クチコミ・コメント
facebookもチェック

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


経営のためのIT

日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

「経営のためのIT」

⇒バックナンバー一覧