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『折れない新人の育て方』著者が語る

新人が自分で力を引き出せるものの見方・考え方

【第55回】 2009年5月21日
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『折れない新人の育て方 (自分で動ける人材をつくる) 』船戸孝重、徳山求大、リクルートコミュニケーションエンジニアリング[著]定価1365円(税込)

 2001年のこと。銀座G8ビル(かつてのリクルート本社ビル)の11階会議室に、人材系ビジネスに携わる部長・課長10人ほどに集まってもらった。1週間前に依頼していた「新入社員に向けた10カ条」を発表、共有するためだ。

 当時、私たちは本格的に新人育成をテーマにした研修プログラムの開発に着手していた。いわゆる“失われた10年”と言われた時代の末期にあたる。

 当時企業の現場で起こり始めていたことは、仕事の複雑性の増加と、慢性的な人手不足だった。しかもただの人手不足ではなく、ある程度スキルアップした人材の不足だった。

 各職場は、目前の業績と戦略推進を同時に実現するよう迫られている。マネジャーはプレイング化し、数少ないリーダー以外は若手メンバーが数人。そうした中に5年ぶりに新入社員が1人入ってくる。本当は即戦力となる中途入社者を要求したかったが、人事から「無理です」とにべもなく断られていた……というのが当時の現場の典型的な状況だ。

 この状況下で、従来の「新入社員受け入れ」がある意味で崩壊してしまったといっても過言ではない。というのもいくつも悪条件が重なってしまったからだ。

(1) 上司・先輩が新人に関わる時間を作れない――自分の仕事で手一杯

(2) 関わろうとしても関わり方を知らない――リストラと不定期の新卒採用のため、新人を受け入れた経験のあるマネジャーが激減

(3) 上司の新人育成に対する意欲の低下――「即戦力にならない新人はむしろ足手まといだ」という意識が強く支配

(4) 新人に与えられる仕事の量・質がアップ――ルーティンの仕事は外注化が進む

(5) 新人が学ぶべき仕事に関する知識の量が大幅に増大――商品やサービスの多様化が急速に進む

 新入社員にとっての職場配属は、それまでの仕事に徐々になじんでいくソフトランディングから、急激なハードランディングへと変貌してしまったのだ。

 この時期を前後して、私たちに、お客様である企業から「どうも新人の定着がうまくいかない」「思うように育ってくれない」「上司が新人を育てようとしない」という深刻な声がたくさん入るようになってきた。これが、私たちが本格的に新人の定着と育成というテーマに取り組み始めた契機である。

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