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三菱自救済、日産のしたたかな思惑

週刊ダイヤモンド編集部
2016年5月16日
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燃費不正問題に揺れる三菱自動車を支援したのは、不正が発覚した軽自動車で提携関係にある日産自動車だった。三菱自が経営危機に陥るのは3度目のこと。あえて、日産が火中のクリを拾いにいったのはなぜなのか。そこには、したたかな日産の戦略があった。(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子、山本 輝)

5月11日、不正問題が発覚してから初めて公式の場に現れた益子会長。益子会長ができなかった改革を日産が受け継ぐことになる  Photo by Akira Yamamoto

 5月12日、日産自動車が三菱自動車の株式の34%に相当する約2370億円を出資することが決まった。日産による第三者割当増資により、三菱自の大株主である三菱グループ3社(三菱重工業、三菱商事、三菱東京UFJ銀行)の保有株式は約34%から21~22%へと薄まる予定。日産と三菱3社を合わせて過半数を占める構成になる。

 カルロス・ゴーン日産会長兼社長と益子修・三菱自会長が面会して、この資本提携はまとまった。日産は、三菱自の経営の独立性を維持する構えだが、「燃費不正が発覚した開発部門の責任者を日産から招聘することになるだろう」(三菱自関係者)としている。

 日産が、あえて“火中のクリ”の三菱自を支援するのはなぜか。

 それは一にも二にも、国内販売を立て直すためだ。2011年に日産と三菱自は軽自動車の企画・開発を行う合弁会社を立ち上げた。三菱自による不正がこの共同開発車に及んでいたことから、日産の販社は、売れ筋の軽を失い、悲鳴を上げている。

 軽の販売を早期再開するために、日産には二つの選択肢があった。

 一つ目は、三菱自を切り捨てて、軽の自社生産に踏み出す方法。二つ目は、開発の主導権を握りながら、提携関係を継続して三菱自の岡山県・水島製作所で生産委託する方法だ。

 前者の場合は、「日産が軽の開発ノウハウを持っていると仮定しても、生産ラインの品質管理の整備などを考慮すると、最速でも1年はかかる」(国土交通省幹部)。

 後者の場合は、「現政権の三菱自に対するスタンスは、厳罰かつ(水島製作所周辺の雇用情勢を考慮して)早期再開。参議院選挙が終わった7月以降には生産再開できる」(官邸筋)。当座は競合メーカーより燃費の良い軽を市場投入するのは難しいかもしれない。だが、日産は、中長期的に軽の開発・生産ノウハウを有利な条件で三菱自から絞り取ることができたともいえる。

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