三井物産が理系男子では初の1位に輝き、2年連続で総合商社がトップとなった。三菱商事(2位)、住友商事(3位)、伊藤忠商事(4位)、丸紅(5位)、豊田通商(7位)と、トップ10に総合商社が6社ランクイン。10位に東京海上日動火災保険と、昨年に続いて、文系男子と見紛うようなランキング結果となった。
総合商社は毎年コンスタントに一定数の理系学生を採用しているほか、理系向けのセミナーも積極的に開催。幅広い事業領域の中で、理系出身者が活躍できるフィールドが数多く用意されていることをPRしてきたが、それが完全に理系学生に浸透したといえそうだ。三井物産が3月に開催した自社説明会「360°まるごと三井物産~All about MITSUI & CO.~」では理系出身の先輩社員も登場して自身の経験談を伝え、参加者からは「専攻を生かして活躍できるフィールドがイメージできた」といった声も聞かれた。
電機・自動車メーカーでは日立製作所が8位(昨年6位)、トヨタ自動車が9位(昨年14位)とトップ10に2社がランクイン、三菱電機(12位→15位)が続いた。国産初の小型ジェット旅客機MRJの初飛行が話題となった三菱重工業(26位→18位)をはじめ、川崎重工業(29位→21位)、IHI(圏外→85位)と重工業は軒並み順位を上げている。
一方で不正会計事件に揺れる東芝は昨年の5位から98位に。くい打ちデータ偽装が発覚した旭化成グループも35位から84位と、大幅に順位を落とした。不祥事から受けるマイナスインパクトがダイレクトに響いたと考えられる。
食品メーカーはサントリーグループ(10位→6位)をはじめ、明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ)(46位→11位)、ロッテグループ(17位→14位)、グリコグループ(31位→17位)、キリン(39位→20位)とそれぞれ順位を上げ、20位圏内に5社がランクインした。
総合商社と食品メーカーの躍進には、大手電機メーカーの凋落が少なからず影響を与えていると思われる。
(ダイヤモンド・ヒューマンリソース首都圏営業部長 高村太朗)