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家電エコポイント制度“延長”でも
“終了後”を睨み戦略修正を図る電機メーカー

週刊ダイヤモンド編集部
2010年9月3日
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 省エネ家電の購入を促進する「家電エコポイント制度」が3ヵ月間延長されることになった。エアコン、冷蔵庫、薄型テレビを対象とした家電エコポイント制度は、昨年5月にスタートした。当初の期限は今年3月末だったが、国内経済の停滞から、今年12月まで延長されていた。

 そして今回、終了期限が来年3月まで“再延長”された。円高や欧米経済の減速により、国内景気の下振れリスクがあるとして、8月30日に、政府の追加経済政策の中に盛り込まれたのだ。

 それにもかかわらず、再延長によって恩恵を被るはずの電機メーカー内部の反応は、意外なほどに冷めている。

 なぜか。それは、制度開始から1年以上もの月日が流れ、「需要の先食いをすることはあっても、中長期的な経済効果は期待できない」(アナリスト)とする考え方が一般的だからだ。

 順にみてみよう。最も“先食い需要”が懸念されるのは薄型テレビである。来年7月24日までに現行の地上アナログテレビ放送は終了し、地上デジタル放送へ完全に移行される予定だ。エコポイントは、アナログ放送停止に向けた起爆剤として機能しているものの、来年8月以降に訪れるであろう急激な需要減をカバーする効果は期待できない。

 家電量販店は商戦の目玉となるエコポイント対象製品に、通常より多くの自社ポイントを付与する傾向があり、その値下げ原資は自社や電機メーカーのマーケティングコストから捻出されている。エコポイントが安値競争の常態化を生む元凶となっており、なかでも薄型テレビの価格競争は群を抜いて熾烈である。

 次に、エアコンの販売数量は6~8月期に前年同期の1.5倍に達しているが、「この特需はまさに猛暑の賜物であり、昨年の冷夏の反動を考えれば当然の水準。エコポイントの効果は限定的だ」(電機メーカー幹部)と言う。

 対象3製品のなかでは、最も消費刺激効果が大きいとみられるのは冷蔵庫である。この6~8月期に前年同期比で、数量ベースでは数%の伸びだったが、(エコポイントの点数が高い)大容量の冷蔵庫の販売が堅調であったため、金額ベースでは2割増の伸びとなっている。

 もっとも、制度運用に毎月300億円もの巨費を投下してまで維持する制度であるかは疑問だ。

 また、再延長された後には、「エコカー補助金(の申請期限)がこの9月末で打ち切られるのに、家電補助政策が温存されるとは考え難い」(電機メーカー幹部)。そのため、早くも水面下では、 家電エコポイント“終了後”を見通して、戦略修正を図る電機メーカーが出てきている。

 その一例が、住宅版エコポイント制度――窓や外壁の断熱性能が高い新築住宅・リフォーム住宅にエコポイントが付与される――を意識した戦略修正である。家電エコポイント制度よりも景気刺激効果が大きく、また、温室効果ガスの削減にも直結する住宅版エコポイント制度は、当面継続されるのではないか、という見方が根強い。

 一方で、パナソニックや日立製作所、三菱電機といった大手電気メーカーは、調理・給湯・冷暖房など家庭で使用するエネルギーをすべて電気でまかなう“オール電化”システム事業に注力している。現在は対象外だが、「いずれ、“オール電化住宅”が住宅版エコポイント制度の対象となってもおかしくない」(電機メーカー幹部)と言うように、“ポスト・家電エコポイント制度”を睨んだ動きが活発化しそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子)

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