中国の旧正月である「春節」。毎年2月の上旬から中旬にかけ、日本各地に多くの中国人観光客が訪れ、観光地だけでなく「免税」を実施する各商業店舗でも賑わいを見せています。
この連載では、これから数回に渡って、中国のインターネット上で検索される日本に関係するキーワードとインバウンドの最前線で実施されている企業の施策との相関性について、企業現場担当者の声を交えてリポートしていきます。
今回は日本全国にショッピングモール事業を展開するイオンモールを訪問し、店舗で行われているインバウンド向け施策やその手応えについてお話を伺いました。
なぜイオンモール常滑には
“巨大な招き猫”が鎮座するのか
今回話を伺ったのは、イオンモール株式会社でインバウンド推進グループのマネジャーを務める趙明さん。イオンモールといえば、現在日本各地にショッピングモールを展開し、最近では「イオンモール沖縄ライカム」といった商業施設の枠を超えた、文化交流の場を提供する新型のリゾートモールも展開している。
――イオンモールがインバウンドに取り組むようになったきっかけはなんだったのですか?
「まだ“インバウンド”という言葉が定着する以前から、外国人観光客への対応は行っていました。千葉県成田市にある『イオンモール成田』が空港に近いこともあって、観光客だけでなく、客室乗務員を含めた航空関係者も買い物に来てくださいました。
そういった方々への対応を行っていくうちに、ノウハウが自然と溜まっていき、2008年に中国人観光客の決済手段の一つである銀聯カードが日本で利用可能になったことを機に、成田をはじめ同じように空港近隣に位置する大阪府の『イオンモールりんくう泉南』や、福岡県の『イオンモール福岡』においても決済設備を導入するなど、いち早く外国人観光客への対応を進めてきました。さらに2010年7月には中国のビザ発給要件の緩和があり、会社の成長戦略の一つの施策として取り組んでいくことになりました」
そんなイオンモールは、観光に関する情報発信にも力を入れているのだという。