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爆買いから「爆学」へと進化し始めた、
中国人の日本リスペクトぶり

中島 恵 [フリージャーナリスト]
2016年2月10日
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今年も春節の季節がやって来た。中国人の興味は日本の「モノ」から「コト」へと移り始めており、とりわけ「ラーメン道」はリスペクトされている

 春節期間を迎えた今週、「爆買い」報道が再び過熱している。従来通りの「モノの爆買い」に加え、猛烈な勢いで変化する中国人の興味や関心は美容や医療、芸術・文化、自然、アウトドアスポーツなどの「コト」に移行してきている。「モノ」はいつか事足りて満足してしまうし、飽きてくるが、「コト」は奥が深く、追求すればするほど面白いからだろう。

 だが先日、来日したある中国人の友人とおしゃべりしていたとき、筆者は友人のユニークな視点に感心させられた。その友人は30代の上海在住の女性で、1年に1~2回、日本に遊びに来る。筆者はこれまで彼女を通して、彼女と同世代の中国人の考え方を教えてもらってきたが、今回雑談の中で素朴な疑問を投げかけてみた。

 それは「中国人がこれほど日本観光にやってくるようになってきて、日本にだいぶ慣れてきた人々もいる。彼らは日本に来ても、もうあまり感動しなくなってきているんじゃないか?」という問いだ。

 感動というと、読者は「なに? 日本旅行が感動だって?」と不思議に思うかもしれないが、一般の中国人にとって、日本での観光体験はまさに感動、感動の連続である。

人の対応から生活環境に至るまで
日本と中国の「ソフト」は雲泥の差

 日本人にとっては「これが普通」だから気がつかないが、中国と比べたら、モノの品質だけでなくハード、ソフト、人の対応、生活環境、何もかもが母国とは雲泥の差だからである。筆者は決して日本を礼賛して、自画自賛で言っているわけではなく、これは本当のことだ。

 たとえば空港。到着後、入国審査に向かう途中にあるトイレには、たいてい女性の長い列ができているが、中国人は日本の空港のトイレに入ってまずびっくりする。床も鏡もピカピカ。空港は大きな荷物を入れやすいようにと個室が広めにつくってあるし、カバンを掛けるフックがちょうどいい位置にある。最近の上海や北京はトイレ革命がかなり進んでおり、きれいになっているが、正直言って日本のトイレと比べたら月とスッポンだ。

 そんなところから始まって、ホテルにチェックインし、観光に出かけたり、コンビニに入ったりするうちに、日本の様々な面で質の高さに驚き、感動する。そうした声は私たち日本人の耳にはほとんど届いてこないが、中国のSNSには、日々大量にコメントが書き込まれている。中国の友人のSNSを見せてもらうと、「日本のラーメン。このボリュームとおいしさで、なんとこのお値段!」「東京にもきれいな公園がこんなにたくさんある!」「日本の店員は常に笑顔で丁寧。言葉が通じなければ筆談してくれる。決して中国人の店員のように怒り出したりしない(笑)」といったコメントが溢れている。筆者も以前から知っていたが、今や“国民総コメンテーター”となった中国では、SNSで何でも情報発信するようになった。

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中島 恵[フリージャーナリスト]

なかじま・けい/山梨県生まれ。中国、香港、台湾、韓国など東アジアのビジネス事情、社会事情などを新聞・雑誌などに執筆。著書に『中国人の誤解 日本人の誤解』『中国人エリートは日本人をこう見る』(共に日本経済新聞出版社)などがある。


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