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燃費試験の「国際標準化」は始まる前からもう古い

井元康一郎
2016年6月9日
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国土交通省などは現行の燃費試験に代わり、国際標準の燃費計測の方法を2018年に導入する方針を打ち出している。しかし、この国際標準の試験方法もユーザーが実感する燃費とはほど遠く、甘いものであり、時代遅れともいえるものだ。(ジャーナリスト 井元康一郎)

誰もアテにしていない
現行のカタログ燃費

三菱自動車が軽自動車の燃費を偽装していたと発表したのをきっかけに、国土交通省による燃費審査のあり様があらためて注目を集めている。審査に使う走行抵抗値を偽装した三菱自の行為は論外だが、クルマのカタログに記載されている現行のJC08モード燃費がいかにアテにならないかは、クルマのユーザーであれば誰もが知るところだ。

 カタログ値20km/Lのクルマで走ってみて15km/Lだったりしても、「カタログ燃費より悪いじゃないか」などと怒りだす人はまずいないだろう。日本の燃費審査は60km/h定地走行燃費、10モード燃費、10・15モード燃費、そしてJC08モード燃費と変遷してきたが、どれひとつとして実燃費の目安になった試しがない。

 ユーザーは「カタログ値の8割くらい走れば上出来」「ハイブリッドだから7割くらいかな」と、カタログ値から推察するのが習慣になっている。

 それだけならカタログ値と実燃費の乖離は別段、目くじらを立てるほどのことではない。が、事はそう単純ではない。

 考えてみてほしい。クルマの消費が落ち込むなか、本来は一時的な需要刺激策であったはずなのに、最近は当然のシステムとしてすっかり定着してしまった感のあるエコカー減税の減税幅は、カタログ値をベースに決められる。その値がアテにならないのは大問題だ。

あまりにもバラバラな
カタログ燃費と実燃費との乖離

 単に実燃費との乖離が大きいだけでなく、乖離率もクルマの形状やパワートレインの種類、またメーカー、モデル、それぞれの特性の違いによって無視できないくらいに異なる。

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