ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
『週刊ダイヤモンド』特別レポート

燃費偽装問題、2年前に指摘されていた火種

週刊ダイヤモンド編集部
2016年5月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

三菱自動車で発覚した軽自動車の燃費不正問題は、スズキにも飛び火し、自動車業界全体を襲っている。実は「週刊ダイヤモンド」では、この問題を2年以上前の2014年1月18日号で指摘し、警鐘を鳴らしていた。当時指摘した火種が今になって、まさに火を吹いた格好だ。2014年1月20日付の記事を再掲載する。(「週刊ダイヤモンド」副編集長 浅島亮子)

 2013年12月、ハイブリッド車(HEV)と軽自動車の両カテゴリーにおいて、最高燃費車の首位が入れ替わった。燃費とは、消費燃焼率のことで、ガソリン1リットルで走行できる距離を数値化したものだ。

 まず、HEVでは、トヨタ自動車「アクア」が世界最高燃費37.0キロメートル/リットルを達成し、昨年9月からホンダ「フィット ハイブリッド」に奪われていた首位の座を奪還した。軽自動車では、スズキ「アルトエコ」の燃費が35.0キロメートル/リットルとなり、ダイハツ工業「ミライース」からガソリン車燃費トップを再び奪還した。やられたらやり返す──。血みどろの燃費競争が繰り広げられている。

 その舞台裏では、高い燃費数値をひねり出すために、なりふり構わぬ禁じ手が使われている。

 例えば、2011年末に「アルトエコ」が「ミライース」の燃費性能に追いつくために講じたのが、ガソリンを入れる燃料タンクを既存モデルの30リットルから20リットルへと大幅に縮小するという荒業だった。軽量化で燃費は飛躍的に改善したものの、航続距離が短くなりかねない苦肉の策である。

 また、2013年9月には、ホンダ「フィット」のHEV・ガソリン車の最低グレードのみ、リアセンターヘッドレスト(後部座席真ん中の枕)を軽量化のために排除している。一般的に言って、クラス最高燃費を掲げる最低グレードは、燃費を喧伝するための“客寄せパンダ”であり売れ筋ではない。とはいえ、万が一のときの安全装備を削らざるを得ないほどに、燃費競争は苛烈を極めているのだ。

 こうした小手先の燃費マジックは、まだかわいいほうだろう。実際には、自動車ユーザーが気づかないままに、“燃費偽装”とも呼ぶべき実態が放置されている。その中身に触れる前に、燃費の測定法について簡単に説明しておこう。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2016年10月1日号 定価710円(税込)

特集 特集 凄いネスレ 世界を牛耳る 食の帝国

違いが分かる食の帝国を徹底解明!

【特集2】
2017年 新卒就職戦線総括
今年も「超売り手市場」が継続 選考解禁前倒しも競争は激化

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


『週刊ダイヤモンド』特別レポート

『週刊ダイヤモンド』編集部厳選の特別寄稿と編集部による取材レポートを掲載。本誌と連動した様々なテーマで、経済・世相の「いま」を掘り下げていきます。

「『週刊ダイヤモンド』特別レポート」

⇒バックナンバー一覧