タリーズコーヒージャパンを創業・上場、そして現在はベンチャー政党に所属する松田公太氏が、日本社会に新風を吹かせる“アウトサイダー”を訪ね歩く新連載。第2回は、シェアハウスやクラウドファンディングなど数々の新規事業から、はては都知事選出馬まで多方面に活躍する起業家、家入一真さんがゲスト。若者たちを取り巻く経済の“パラダイムシフト”を巡って熱く語り合います。(撮影/武藤裕也)
熊本への支援金が半月で1000万
クラウドファンディングへの思い
松田 ご無沙汰しています。この対談の直前に熊本で大地震がありました。家入さんが手がけられているクラウドファンディングの「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」が早速、緊急支援金を募集されていましたね。てっきり、福岡出身だと思っていたのですが、実は熊本のお生まれだそうで、ご親族やご友人はご無事でしたか。
家入 育ちは福岡なんですが、母方の実家が熊本にあります。僕の友達は何とか頑張ってボランティアやっていました。実は、CAMPFIREで地方を盛り上げる企画の第1弾をやろうとした矢先の震災だったんですよ。
松田 そうだったのですか。支援金の使い道はどのようにイメージされてますか。
家入 これまでの震災では、自治体や公的な団体に募金するものでした。一方で、機動性の高いボランティア団体が活躍できるはずなのに「熊本に行くまでの資金がない」といったニーズもある。ボランティアなのでそもそも全てを自腹で調達すべきというご意見もあるでしょうが、そうした人たちに一部でもお金が行く流れを作りたかったんです。
松田 CAMPFIRE自体が、もともと東日本大震災の直後に立ち上がったんですよね。最初に始めたのは震災復興に資するためだったのですか?
家入 元々のきっかけはクリエイターを応援したいと思いから。アーティストといった表現者はもちろん、小さく起業する人等、何か新しく始める人をみんなクリエイターと定義して、背中を押すためのサービスでした。ただ、東日本大震災の時は初動で震災プロジェクトができなかった反省がずっとありまして、今回はどこよりも早くやろうと急ピッチで対応しました。
松田 目標額は、おいくらですか。
家入 元々は100万円ですが、数時間で達成しました。それで金額がどんどん上がって、とうとう1000万になりました。