「報道が過熱するなか、都議会自民党は一貫して舛添さんを擁護し続けていたのですが、じつはそれを許さない数字が世論調査で出てしまったようなんです。6月4~5日にかけて自民党が参院選に向けた定点観測の世論調査を実施しています。結果は、普通は数日後に出ているはずなのですが、取材をしても恐ろしいくらいにその数字が表に出てこないんです」

 なぜ、世論調査の結果は出てこないのだろうか。それは、自民党にとって表にできないほど厳しい数字だったということだろう。自民党による舛添下ろしは、ここから始まったのだ。

「数字を把握しているのは、官邸と自民党本部の一部だけでしょう。内閣支持率などかなり厳しいものだったと推測されます。その大きな原因とみなされたのが舛添問題でした」

 舛添氏は、2014年に東京都知事選挙に無所属で立候補したが、その際、自民党は推薦という形で舛添氏を応援している。つまり舛添都知事を誕生させた責任の一端は自民党にもあるとみなされ、舛添氏のスキャンダルに引きずられる格好で自民党の支持率が急降下していたのだ。

「しかも自民党への批判は東京だけにとどまらず、全国に波及していたのです。連日のメディアの攻勢もあって、官邸はピリピリし始め、『このまま舛添を放っておくと、参院選が厳しい』という雰囲気が支配的となってきた。安倍首相と谷垣幹事長が、東京選出の国会議員で安倍さんの側近である下村博文さんに『舛添問題を早く片付けてほしい』と伝えたそうです」

 ところが、当事者である舛添氏は、6月10日の定例記者会見で「(辞職したら)死んでも死にきれない。何としても仕事をしたい」と発言し、知事職にとどまる意志を表明していた。

「この日は私も都庁で取材しましたが、舛添さんは全然元気で『これは辞めないな』という感触を得ました。この会見が行われたのは金曜日でしたが、土日の間に下村さんが『野党が提出した不信任案でも、世間が舛添に『NO』と言っている以上、われわれは乗らざるを得ない』と、不信任案に賛成する可能性を示唆しました」

 下村氏は、次の自民党都連会長と言われる東京自民党の実力者だ。しかも、下村氏のバックには、安倍首相がいるわけだから、その発言は重い。