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お台場ホテル戦争の裏にオークラとヒルトンの「因縁」

週刊ダイヤモンド編集部
2016年6月30日
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 外国人観光客でにぎわう東京・お台場。ゆりかもめの駅とほぼ直結する「ホテル グランパシフィック LE DAIBA」は7月1日から、「グランドニッコー東京 台場」にリニューアルする。この名称、聞き覚えはないだろうか。

 それもそのはず、駅を挟んでグランパシフィックの向かいに立つ「ヒルトン東京お台場」はかつて、「ホテル日航東京」だったからだ。

 ホテル日航東京は1996年、日本航空などが出資する東京ヒューマニアエンタプライズがオープンし、運営も日航の子会社であるJALホテルズが担っていた。

 だがヒューマニアが経営破綻し、再建後の株式をエートス・キャピタルが取得。後に株を取得したエリオット・マネジメントは、JALホテルズの運営に満足せず、昨年からヒルトン・ワールドワイドに運営権を移した。

 そのJALホテルズといえば、日航の経営難により2010年から、ホテルオークラの子会社になっている。つまり、お台場における日航東京からヒルトンへの看板の掛け替えは、日本最高峰のホテルチェーンであるオークラが放り出されたことを意味するわけだ。

東京本館のスタッフを派遣

 そこに、向かいのグランパシフィックの底地と建物を、ヒューリックが京浜急行電鉄から取得すると4月に発表。神奈川県・三浦半島での宅地開発と路線の延伸計画が頓挫し、15年度に特別損失を計上した京急と、オフィスビル以外に多角化を図るヒューリックの思惑が一致した。

「グランドニッコー東京 台場」(左)と「ヒルトン東京お台場」。日本の老舗と外資大手のホテル戦争が始まる Photo:PIXTA

 その運営を、JALホテルズから社名変更したオークラニッコーホテルマネジメントが担う。オークラからすれば、放り出されたヒルトンの真向かいに立つグランドニッコー東京で、リベンジを期そうというわけだ。そのため、「一見、不利に思える条件もあえてのんだ」(関係者)もようだ。

 というのも、ホテル運営者が所有者に支払う賃料は、宿泊収入に応じて変動させるケースが多いが、今回は、「オークラがヒューリックに支払う固定部分を多くした」(別の関係者)。たとえ稼働率が低くても、ヒューリックには一定の賃料が入るわけで、オークラにとっては確かに不利な条件といえる。

 もっともオークラにしても、リベンジだけで運営を引き受けたわけではない。東京本館は現在、建て替え工事中のため別館のみの営業で、稼働客室数は工事前の半数程度だ。この間、東京本館で調理や接客の経験があるスタッフが、グランパシフィックの従業員をトレーニングすることで、ヒルトン追撃が可能となる。

 加えて、「グランドニッコー」ブランドは、インドネシア・バリ島に次いで国内初登場であり、意気込みのほどもうかがえる。オークラが日本の老舗の意地を見せられるのか、「お台場決戦」の行方に注目が集まる。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)

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