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カンヌでなぜ「複雑と統合」が議論されたか

先進企業もいまだ解けないマーケティング課題とは

藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]
【第101回】 2016年7月4日
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カンヌで議論された
「複雑性」と「統合」 

cannes6月18日~25日に開催されたカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル
Photo by Integrate

 フランス・カンヌで6月18日から25日にわたって開催された、世界最大級の広告祭と称される「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」に、今年も参加してきました。

 今回は7度目の参加となりましたが、毎年、世界一線のクリエイティビティやマーケティングの大きな潮流に刺激を受け、私にとっては、たくさんのインスピレーションを得ることのできる非常に大切な機会となっています。

 なかでも、最も強いインパクトを受けたのが、イギリス・エコノミスト社が主催した「Wake Up with The Economist」というパネルセッションです。

 会場からほど近い地中海を見渡すカンヌライオンビーチで、毎朝、P&G、ユニリーバ、Johnson & Johnsonなど、マーケティング先進企業のCMO(chief management officer:最高マーケティング責任者)たちが登壇し議論するのですが、ここで語られた各社共通のキーワードが、“Complexity(複雑性)”と“Integration(統合)”です。

 ますます複雑化する消費者の情報接触行動から購買を喚起するために、オンラインとオフラインを分けず、さまざまなマーケティング手法を統合していかなければならないという認識の下、これをいかに実行していくべきか、また、広告主とエージェンシーの関係はどうあるべきかなどを中心に、連日熱い議論が繰り広げられました。

「マーケティング」を一言で言い表すと「売れ続ける仕組みづくり」ということに他なりません。したがって、マーケターに期待されるのは、商品やサービスが消費者との関係を構築する過程で、上流から下流までの一貫したマネジメントを実行することなのです。

 こう言ってしまえば簡単なことのように聞こえますが、決してそうではありません。だからこそ、名だたる企業のCMOたちでさえ、複雑な顧客嗜好を多様なリソースから的確に読み取り、そのニーズを統合していくことに日々苦戦し、もがいているのです。

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藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]

慶應義塾大学を卒業後、味の素株式会社を経て、92年、フィンランド人の社長と二人でザイロフィン ファーイースト社(現ダニスコジャパン)を設立。素材メーカーの立場から キシリトール・ブームを仕掛け、キシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。07年、株式会社インテグレートを設立し、代表取締役CEOに就任。著書に『どう伝わったら、買いたくなるか』『99.9%成功するしかけ』 『漂流する広告・メディア』講演活動も行っている。integrateGroupウェブサイト:http://www.itgr.co.jp/

 


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インターネットなど双方向メディアの普及に伴い、従来の広告メッセージが届きにくい時代になったと言われます。どんな方法なら消費者とのコミュニケーションが成立するのか。「次世代IMC」を掲げる注目のマーケティング企業CEOがその極意を伝授します。

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