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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

コンパクト?おもてなし?
迷走するオリンピックが掲げるべきテーマとは

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第141回】 2015年9月8日
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 国立競技場のみならず、エンブレムのデザインも見直しとなり、迷走状態とも言える東京五輪2020。組織委員会(の人選)自体も見直したほうがいいのではないか、という意見も多数あるようだが、僕は、テーマ自体も見直したほうがいいのではないかと思っている。

 そこで読者の皆さんにお聞きしたいのは、「今回の東京五輪のテーマは何かを知っていますか?」ということ。たぶん、多くの人が知らないと思う。というか、「そもそもテーマそのものがない」という話もある。

 それは、過日のエンブレム騒動報道のなかで言われた、何人かの識者の指摘だ。通常はこのような国家的イベントに関わるデザイン決定には、まずイベントのテーマがあり、そのテーマに基づいてデザインコンセプトが決まり、最後にデザイン案が決まる、というのが本来あるべきプロセスと言える。しかし、今回の東京五輪にはそもそものテーマがないので、良いデザインといっても何を基準にすればよいか判断ができない。それが識者たちの指摘である。

コンパクト?おもてなし?本当のテーマは?

 しかし、オリンピックのような国家的かつ国際的なイベントでテーマがない、というのは本当なのか。2年前の招致活動のときに訴求していた「コンパクト開催」とか「おもてなし」がテーマではなかったのか。と思って少し調べてみたのだが、どうもハッキリしない。

 そこで、組織委員会の公式サイトを見てみると、“ビジョン”として「スポーツには世界と未来を変える力がある」「みんなのTomorrow」という文言が掲げられている。“ビジョン”と“テーマ”は厳密に言えば似て非なるものだが、事実上このビジョンが、今回の東京五輪のテーマだと考えてもいいだろう(というわけで、当記事では以降、ビジョン=テーマとして論じる)。

 僕は、このビジョン自体は悪くないと思う。「何のために数千億円もの税金を投じて、このスポーツイベントを、国を挙げてやらなければならないのか?」という問いに対して、一応の回答になっていると思うからだ。「デザイン」というものを考える場合にも、デザイン業界やクリエイティブ業界の世界的なトレンドにも合致している。

 そもそも、今回の国立競技場やエンブレムに関する騒動は、この「デザイン」に関することなので、デザインに関連するトレンドを簡単に説明しておこう。それは、「クリエイティブはいかにして世界を変える力を持ち得るか?」ということ。世界的なトレンドがその方向に進んでいるのだ。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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