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【住友不動産】
損失処理完了で高いROEを実現
再び目指す成長路線への課題

週刊ダイヤモンド編集部
【第4回】 2010年9月30日
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11期にわたり、増収増益を達成してきた住友不動産。高収益企業として知られるが、同時に20年近くもバブルの処理に苦しんできた。過去の負債の処理を終えた今、成長路線への回帰を目指す。

 「経営者としての自分を採点するとせいぜい50点だよ」。ある不動産会社元役員は、故・安藤太郎氏が生前に発したそんな言葉を思い出すという。

 安藤氏は今年5月9日に100歳で死去した住友不動産の元社長。住友銀行(現三井住友フィナンシャルグループ)の副頭取だった1974年に住友不動産社長に転身、オイルショックで悪化した同社の業績を立て直し、現会長の高島準司氏とともに、三井不動産、三菱地所に対抗するほどの大手に成長させた“中興の祖”である。社長就任以降33年間代表権を持ち、2008年まで取締役を務めた。

 そのカリスマが自らを50点と評したのはなぜか。詳細は後述するが、「都心のビル賃貸事業の拡大にまい進し、現在の高収益体質を築くのに成功したが、手痛い失敗もした」(前述の元役員)からだ。

 安藤氏の功罪を象徴的に示す数字が同社の自己資本当期利益率(ROE)である。

 下のグラフを見てもらいたい。10年3月期、住友不動産のROEは11.4%。三井不動産(6.0%)や三菱地所(1.0%)よりも高い。

 そもそも住友不動産は、戦後に住友グループの福利厚生施設の管理会社として設立され、上場も70年と中核グループのなかで最も遅い。そこで、安藤氏の社長就任後、重視したのが収益性と成長だ。

 同社の主力事業はいずれも高い営業利益率を誇るが、特に営業利益全体の7割を稼ぐオフィス賃貸事業の営業利益率は33.3%。丸の内に超優良物件を所有する三菱地所(30.6%)に劣らず、三井不動産(22.2%)よりも高い。

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