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日本を元気にする経営学教室

理屈や論理偏重の経営に異議あり
いま日本企業に必要なのは「ノリ」だ
早稲田大学ビジネススクール教授 遠藤 功

遠藤 功 [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長],加登 豊 [神戸大学大学院経営学研究科教授],成生達彦 [京都大学大学院経営管理研究部教授],河野宏和 [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]
【第17回】 2010年10月4日
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「戦略」と「ノリ」
「逆転」に必要な二つの柱

 リーマンショックから2年が経過したが、日本経済の閉塞感は相変わらずだ。企業の業績に薄日がさしても、将来に対する不安心理が拭えず、おっかなびっくり試運転をしている状況が続いている。

 あれだけの急激、かつ大きな落ち込みを経験したのだから、憶病、慎重になるのはやむを得ない面もあるが、過度な慎重さは企業の持つ潜在的なエネルギーを閉じ込めてしまうことも否定できない。

 「失われた15年」の間に、日本企業を取り巻く競争環境は劇的に変化した。韓国や台湾、さらには中国、インドという新興国の企業が着実に力をつけ、分野によっては日本企業を凌駕するほどの勢いで、世界を舞台に躍進している。技術や品質、さらにはブランドにおいても、彼らの成長は目覚ましい。少なくとも、「勢い」という側面では、日本企業は大きく後塵を拝している。

 今、日本企業が持たなければならないのは、「守り」ではなく、「攻め」の姿勢である。欧米企業だけでなく、新興国の巨大企業に対しても、「このままではおかない。かならず“逆転”するぞ!」という挑戦者の気概で挑まなくてはならない。

 「逆転」を実現するためには、二つの柱が不可欠である。ひとつは「戦略」である。戦略はすべての戦いにおいて必要であるが、「逆転」を目指すという局面で、最も必要とされる。

 「ゲームのルール」を読み解き、彼我の強み、弱みを把握した上で、合理的で身の丈に合った「逆転のシナリオ」を描く。多くの日本企業は今、冷静、かつ客観的に「リーマン以後の戦略」を練りつつある。その点について、私はあまり心配をしていない。

 しかし、戦略だけで「逆転」を実現するのは困難である。二つ目の柱として欠かせないのが、「ノリ」である。ここでいう「ノリ」とは、「調子に乗る」などで使われる「ノリ」のことである。

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遠藤 功(えんどう いさお) [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長]

1956年生れ。79年早稲田大学商学部卒業、三菱電機入社、米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。その後、米系戦略コンサルティング会社を経て、2008年から早稲田大学ビジネススクールのMBA/MOTプログラムディレクターとして、ビジネススクールの運営を統轄。また、欧州系最大の戦略コンサルティング・ファームであるローランド・ベルガーの日本法人会長として、経営コンサルティングにも従事。『MBAオペレーション戦略』『現場力を鍛える』『見える化』など著書多数。

加登 豊(かと ゆたか) [神戸大学大学院経営学研究科教授]

1953年生れ。78年3月神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了、86年4月大阪府立大学経済学部助教授、94年1月神戸大学経営学部教授、99年4月神戸大学大学院経営学研究科教授、2008年4月~10年3月経営学研究科長・経営学部長。『インサイト管理会計』『インサイト原価計算』『ケースブック コストマネジメント』『管理会計入門』など著書多数。

成生達彦(なりう たつひこ) [京都大学大学院経営管理研究部教授]

1952年生まれ。78年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程卒業、81年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修学、89年米国ノ-スカロライナ州立大学大学院卒業(Ph.D.)、81年南山大学経営学部に就職、94年に教授、同年京都大学博士(経済学)、98年京都大学大学院経済学研究科教授、2006年京都大学大学院経営管理研究部教授、2008年~09年京都大学大学院経営管理研究部研究部長。主著に『ミクロ経済学入門』など。

河野 宏和(こうの ひろかず) [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]

1980年慶應義塾大学工学部卒業、82年同大学院工学研究科修士課程、87年博士課程修了、同年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助手、91年工学博士、91年助教授、98年教授となる。2009年10月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科委員長、慶應義塾大学ビジネス・スクール校長を務める。1991年7月より1年間、ハーバード大学ビジネス・スクールヘ留学。IEレビュー誌編集委員長、TPM優秀賞審査委員、日本経営工学会理事。


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国内市場は成熟化する一方、グローバル化は急速に進展し、新興国の勃興も著しい。もはや、自ら新たな目標を設定し、ビジネスモデルを構築しなくてはいけない時代に突入。にもかかわらず、日本企業には閉塞感が漂う。この閉塞感を突破するにはどうしたらよいのか。著名ビジネススクールの校長・元校長で、経営学のリーダーたちが、リレー形式で、問題の所在を指摘し、変革のヒントを提起する。

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