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岸博幸のクリエイティブ国富論

最大手すら経営破綻!レンタルDVD市場に見る
“創造的破壊”の恐るべき威力

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第109回】 2010年10月8日
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 9月23日に、米国でかつて最大手DVDレンタル・チェーンだったブロックバスターが経営破綻しました。そこに至るまでのレンタル市場の変容やライバル企業の躍進を学べば、メディア・コンテンツ産業にとって重要な教訓を得ることができるのではないでしょうか。

経営破綻に至る経緯

 1990年代から2000年代の前半にかけて、米国のDVDレンタル市場はブロックバスターの独壇場でした。そのブロックバスターが経営破綻した理由は、ビジネスモデルが時代遅れになり、競合他社に市場シェアを奪われたからに他なりません。

 ブロックバスターのビジネスモデルは、ユーザが店に出向いてレンタルと返却を行なうという非常に伝統的なものでした。そのDVDレンタル市場に、ネットフリックスというベンチャー企業が参入してきました。

 同社は、ユーザがネットから注文してDVDの配送も返却も郵便で行なうという斬新かつ新しいビジネスモデルを1998年に始め(日本でも同様のサービスが普及していますが、それを世界で最初に始めたのが同社です)、更に1999年には定額制の料金体系も導入しました。

 店に出向く必要がないし定額制で追加料金も発生しないと、便利この上ないサービスを提供したため、ユーザはネットフリックスにどんどん移行しました。 それに加え、この1~2年でアップルなどのネット企業による映画・テレビ番組のネット配信が普及し始めたことで、いよいよブロックバスターの凋落は顕著となり、今回の経営破綻に至ったのです。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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メディアや文化などソフトパワーを総称する「クリエイティブ産業」なる新概念が注目を集めている。その正しい捉え方と実践法を経済政策の論客が説く。

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