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小宮一慶の週末経営塾

「ハズレ上司」の下に付いたら部下はどうすべきか

小宮一慶
【第44回】 2016年7月30日
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「人の相性」の問題に解決策はない

 今回は、経営者の話ではなく、悩める部下の話です。

 飲み屋で憂さを晴らす会社員の定番の話題といえば嫌な上司、そりの合わない上司の悪口です。部下は上司を選べないため、「ハズレ上司」の下に付いてしまうと、次の異動までストレスをため込むことになります。だから酒を飲んで……という気持ちも分かりますが、飲み屋で愚痴をこぼしても何も解決しないし、上司の指示に反抗しても良い結果を生まないので、会社では処世術として「良い部下」を演じておく方が無難です。

小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 「良い部下」を演じるとは、嫌な上司にこびへつらうことではなく、適当に付き合って、嫌な上司にも嫌われないことです。会社という組織の一員なのだから、どんな状況でもうまくやっていくことは大切です。

 ただ、嫌な上司が直属上司の場合、自分を正しく評価してくれていないのではないかと不安になりますが、昇格や賞与に影響する査定評価の多くは業績評価と行動評価の2本立てで、通常は、直属上司と、その上の上司の2段階で行っているため、あまりに現状とかけ離れた評価になることはまずないと思うべきでしょう。直属上司が極端に恣意(しい)的な査定をすれば、その上の上司から自身の「査定の能力」を疑われることにもなるためです。

 人間の相性の問題に解決策はありません。そこで嫌な上司に付いた期間は人生の勉強期間と割り切って、2つのことに集中することです。

 まず目の前の仕事に集中すること。そして誰の目にも分かる結果を出すこと。

 懸命に仕事をして結果を出していれば、必ず誰かの目にとまります。直属の上司だけでなく、その上の上司も見ているので評価につながるし、他の部署の上司も優秀な人材には敏感なので、他部署へ引き抜かれるかもしれません。

 誰でも自分に対する評価(自己評価)は甘く(高く)なりがちです。だから自分に厳しい上司を嫌な上司と思いがちですが、客観的に見ると、自分が仕事ができないために、上司が厳しく指導している可能性だって捨てきれません。

 そこで、同僚の仕事ぶりに照らしながら、自分を冷静に評価することが大切です。そして結果を出せていない、努力が足りない、仕事に対する態度が甘かったというような自分自身の問題点を見つけ出し、改善して仕事に打ち込む。そうすれば嫌な上司が良い上司に変わるかもしれません。腐って仕事を投げ出すことこそが最悪の対応です。

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小宮一慶

京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学(MBA)、東京銀行、岡本アソシエイツ、日本福祉サービス (現、セントケア)を経て独立し現職。名古屋大学客員教授(平成26年度後期)。企業規模、業種を超えた「経営の原理原則」を元に、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年100回以上講演を行う。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー21)など著書は100冊を超え、現在も経済紙等に連載を抱える。


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経営課題を抱えて日々悩む経営者に向けて、数々の企業経営者に伴走してきた経営コンサルタントの小宮一慶氏が課題解決の「ヒント」を提供。どんな業種にも通じる経営の原理原則をおさえながら、経営者はどうあるべきか、実際の経営現場で何を実行すべきか、を語る。

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