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術前術後の抗がん剤に期待
スキルス胃がんを諦めない

監修 岩崎善毅(東京都立駒込病院外科部長)

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第15回】

スキルス胃がんは自覚症状がほとんどないため、発見された時点で6割に腹膜転移が見られる。1、2年で末期まで進行してしまうこともまれではなく、スキルス胃がんの5年生存率は10~20%にとどまっている。しかしこの数年、ようやく希望の灯が見え始めてきた。取り切れなかったがん細胞を手術後に抗がん剤でたたく方法だ。

 スキルス胃がんの告知を受けたOさん、52歳。一時はショックでなにも手につかなかったが、今はできる治療はすべて試し、サバイバルしようと決意している──。

  胃がん全体の1割を占め、予後不良がんの代名詞でもあるスキルス胃がん。胃痛や出血などの自覚症状がほとんどないため、発見された時点で6割に腹膜転移が見られる。これは普通の胃がんの進行ステージの4期に相当する。

 また、胃がんの好発年齢が60歳代なのに対し、スキルス胃がんは50歳代と若く、進行がきわめて早い。普通、がんが肉眼で確認できる大きさになるまで数年~10年を要するが、スキルス胃がんは、1、2年で末期まで進行してしまうこともまれではない。1期の早期胃がんが98%、2期の進行がんでも70~80%が治る時代にあって、スキルス胃がんの5年生存率は10~20%にとどまっている。

 スキルス胃がんの早期発見・治療が難しい理由は、その特殊性にある。普通の胃がんは胃粘膜の表面に火山の噴火口のような盛り上がりやへこみをつくる。一方、スキルス胃がんは、がん細胞が胃壁の中を横ばいに広がっていく。このため胃粘膜表面に異常が現れず、内視鏡検査でも見つけにくいのだ。

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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