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シリコンバレーで考える 安藤茂彌

振り子はふたたび小さな政府に振れるのか
オバマ民主党“中間選挙”敗色濃厚の意味

安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]
【第37回】 2010年10月29日
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 11月2日には中間選挙が行われる。中間選挙は大統領の任期半ばに行われる選挙で、上院議員の1/3の改選、下院議員の1/2の改選、州知事の改選が行われる。二年前にはオバマ大統領が誕生し、オバマ氏の属する民主党が大躍進をした。今回の選挙では、共和党がオバマ政権に対する批判票をどこまで集めて、勢力を挽回するかが注目されている。

 最近行われた世論調査(ウォール・ストリート・ジャーナル紙とNBCテレビ局の共同調査)では、共和党の優勢が伝えられている。最も注目されているのは下院の勢力図で、共和党の下院支配を望むのは46%に対し、今の通りの民主党支配と望むのは44%と僅差ながら共和党に軍配が上がっている。

 オバマ大統領の支持率はどうか。就任当初に6割を超えていた支持率は、半年前に45%にまで下落したが、その後盛り返し、今では5割を若干切るところまで回復している。選挙直前の2-3週間に、オバマ大統領とクリントン前大統領は接戦が伝えられる大都市を精力的に回り挽回を図る予定である。今でもクリントン氏の人気は高い。この二人が回りだせば共和党の優勢が崩れる可能性があると見る記事もある。

 これに対し共和党では有権者をひきつける役者がいない。ブッシュ前大統領を担ぎ出すのは逆効果であることを共和党は知っているし、2年前の大統領選でオバマ氏と競ったマケイン議員でも力不足である。そのためか、ブッシュ前大統領はまったく顔を見せないし、マケイン議員も登場する場面がない。

 オバマ大統領の支持率低下の原因は何であろうか。最も大きいのは経済要因である。

 失業率は依然高く、景気回復のスピードが鈍いことからくる選挙民の不満である。失業率はピークを超えたとは言え9.6%と高いし、景気も昨年6月を底に回復基調に入ったとは言うものの力強さに欠ける。とはいえ世論調査で「今後一年間に景気が回復する」と見る人は9月の32%から10月には37%に増えており、徐々に楽観的な見方が広がりつつある。

 もうひとつの原因は、オバマ政権の施策により財政が更に悪化したことと、政府が経済活動に介入する余地を増やしたことである。

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安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]

1945年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、三菱銀行入行。マサチューセッツ工科大学経営学大学院修士号取得。96年、横浜支店長を最後に同行を退職し渡米。シリコンバレーにてトランス・パシフィック・ベンチャーズ社を設立。米国ベンチャービジネスの最新情報を日本企業に提供するサービス「VentureAccess」を行っている。VentureAccessホームページ


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シリコンバレーで日本企業向けに米国ハイテクベンチャー情報を提供するビジネスを行なう日々の中で、「日本の変革」「アメリカ文化」など幅広いテーマについて考察する。

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