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一流の睡眠
【第9回】 2016年8月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
裴英洙 [医師・MBA/ハイズ株式会社代表取締役社長]

月曜朝にシャキッと目覚める「休日の眠り方」

睡眠の悩みを解消するための情報は、これまでにも、さまざまなメディアでたくさん紹介されてきました。でも……。

・8時間眠りなさい
・できれば「22時」に眠りなさい
・規則正しく栄養管理の行き届いた食事を摂りなさい
・睡眠時間を確保することから1日をスケジューリングしなさい

「……いやいや、そんなの無理だから!」

そう思ったことはありませんか?

いわゆる「睡眠の常識」と、ビジネスパーソンの実態はかけ離れているのです。そこで本連載では、医師とビジネスパーソン両方の視点と経験を併せ持つ著者が、新刊『一流の睡眠』から、現実的かつ具体的な「睡眠問題解決法」を教えます。

第9回は、平日の仕事に悪影響を与えない「休日の眠り方」をお伝えします。

 平日を全力疾走するバリバリのビジネスパーソンほど、「週末くらい好きなだけ眠って、翌週の活力を蓄えたい」と考えることと思います。

 NHK放送文化研究所の2010年の調査によれば、日本人の平日の睡眠時間と休日の睡眠時間では、休日の睡眠時間が長くなっています。ビジネスパーソンの睡眠時間は、平日に6時間55分、土曜日7時間24分、日曜日7時間51分と、週末ほど長くなる傾向があります。

 この調査よりもずっと少ない睡眠時間で平日を過ごしている人も、たくさんいらっしゃるでしょう。そんな人でも、休日の方が睡眠時間が長いことは共通しているのではないでしょうか?

 週末にたっぷり眠りたいという気持ちは痛いほどわかります。しかし、寝すぎてしまうと、かえって平日に悪影響を及ぼします。週末は「週の終わり」だと考えがちですが、見方を変えれば週の始まりです。週始めから睡眠のリズムが狂うと、平日でそのリズムを取り戻すのは至難の業です。

金曜夜に寝すぎると
月曜の目覚めが悪くなる

 週末に寝すぎる人は大抵、金曜日の夜に夜更かしをして、土曜日はお昼ごろに起きます。夕方に目が覚める方もいるかもしれません。

 メラトニンという睡眠ホルモンの影響で、人が自然と眠くなるのは、起きてから15時間後です。土曜の朝、遅い時間に起床すると、夜の入眠時間が後退し、その流れが日曜日にも続き、日曜日も「遅寝遅起き」になります。

 そして、月曜日がやってきます。「明日は早く起きなきゃ」と日曜夜に早い時間にベッドに入っても、そもそも日曜朝の起床時間が遅いため、体も疲れていなければ、体内時計も狂っていて、眠りにくくなります。眠れたとしても、睡眠の質が悪くなってしまうのです。

 月曜日にスッキリ目覚められなければ、週の頭からパフォーマンスが落ち、火曜以降にようやくリズムが戻り始める、という「スロースターター」になりがちです。

睡眠のボラティリティを小さくせよ

平日とのブレは
「2時間以内」に収めなさい

 拙著『一流の睡眠』で詳しく解説していますが、「寝だめはできないが、”睡眠負債”の返済はできる」というのが睡眠の基本です。平日の睡眠不足の埋め合わせとして、週末に多めに睡眠を取ること自体は問題ありませんが、平日よりも2時間以上多く眠らないようにしてください。

 どうしても疲れがとれない場合は、眠くても一度平日と同じ時刻に起床して、陽の光を浴びてから、15時間後に眠気がくるように体内時計をリセットしたうえで、午後の2時までに昼寝するようにしてください。

 ファイナンスの世界では、ボラティリティ(変動幅)という言葉があります。ボラティリティとは「平均値からのブレ」、つまり標準偏差です。

 休日平日関係なく、ご自身の睡眠時間のボラティリティを小さくすることが、いつも一定以上の成果を出し続ける一流のビジネスパーソンへの第一歩です。

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裴英洙 [医師・MBA/ハイズ株式会社代表取締役社長]

はい・えいしゅ/医師・医学博士、MBA。ハイズ株式会社代表取締役社長。

 

1972年奈良県生まれ。 金沢大学医学部卒業、金沢大学大学院医学研究科修了。金沢大学医学部卒業後、金沢大学第一外科(現・心肺・総合外科)に入局し、大学病院や基幹病院を中心に、主に胸部外科(肺がん、心臓病など)に従事し、日々手術に明け暮れる。その後、金沢大学大学院に入学し、外科病理学を専攻し医学博士を取得。さらに、病理専門医を取得し、市中病院にて病理医として病気の最終診断にかかわり、年間1万件以上の重大疾病の診断をこなす。

また、医師として働きつつ慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應ビジネス・スクール)にて医療政策・病院経営の第一人者の田中滋教授に師事。同ビジネス・スクールを首席で修了。フランスグランゼコールESSEC大学院交換留学。ビジネス・スクール在学中に医療機関再生コンサルティング会社を設立。多数の医療機関の経営支援、ヘルスケア企業の医学アドバイザー業務などを行なっている。 現在も医師として臨床業務をこなしつつ、臨床の最前線からのニーズを医療機関経営に活かすハンズオン型支援を行なう。

著書に『10の仕事を1の力でミスなく回すトリアージ仕事術』『なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか』(ダイヤモンド社)、『医療職が部下を持ったら読む本』(日経BP社)などがある。

 


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