人手不足は「定型業務」を見下す管理職のせいかもしれない

人手不足が常態化し、特に間接部門の経理部への増員は、極めて厳しい状況です。管理職でも、“プレイングマネージャー”として実務をこなしている会社は、珍しくありません。そうした状況を打開する機会は、あまり気の進まない「定型業務」に隠れています。(田村夕美子 ビジネス作家・経理環境改善コンサルタント)

人手不足の中で
頭を抱える経理管理職

 老舗の製造業にて経理課長として働く、Aさん(40代男性)も、プレイングマネージャーの一人です。

「月末は、特に定型業務で忙しい。私ですら伝票入力やファイリングなど、部下と同じ仕事をこなす時があります。人手不足なので残業手当が付かない私が仕事を手伝うことで、部下の残業を減らしています…(苦笑)」

 その場しのぎの手伝いは人手不足の解消にはつながりませんし、本来、課長職は部下の成長の後押しも担わなければなりません。

 すぐに人手を増やせないならば、部員一人ひとりの能力を底上げするしかありません。前回の記事でも触れたように、マネージャーは、部下の潜在能力を更に発揮させ、生産性の向上を図り、収益・利益に直結させる仕事を経理部隊に遂行してもらうように働きかけるのが必然です。今回は “定型業務”のテコ入れ方法をお伝えします。