ここ1ヵ月、オンライン書店の「ロジカルシンキング」ジャンルで売れ行き第1位を獲得し続け、早くも第3刷が決定した『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか ― 論理思考のシンプルな本質』。
前回までの連載では、僕たちはつい「とりあえず情報収集から」着手してしまうということを指摘してきた。そしてそのためには、論理的思考に基づいて仮説(結論)を絞り込み、それを検証するために情報を集めなければならない。
それにしても、なぜ僕たちは「とりあえず情報収集から」着手しようとしてしまうのだろうか? ここにもまた、「考える」と「学ぶ」のあいだに横たわる問題がある。

高学歴ほど「ルーティンワーク」にハマる

※参考
▼第21回▼
無能な人ほど「まず調べよう」とする

▼第22回▼
「調査ありき」のプロジェクトは失敗する

「学ぶ」のが好きな人ほど、情報収集から始める

じつは僕自身、「学ぶ」のが好きなタイプの人間だ。

とくに20代のころは毎週最低でも3回は書店に通い、マーケティングだとか戦略だとかの書籍を買い漁っては読むということを繰り返していた。そうやって知識を吸収し続けること自体が、自分の価値を高めると信じていたのである。
もちろん、そのとき勉強したことがまったく役に立たなかったかといえば、決してそんなことはない。

そして同時に僕はかつて、典型的な「まず情報収集から」の人材でもあった。必要な情報を集めてきて、答えを出すのが得意だったのだ。

そんな僕が認識を改めることになったきっかけは、カリフォルニア大学バークレー校にMBA留学したときの授業だった。