みなさんは就職活動の際、大学の「成績証明書」を企業に提出されたでしょうか?
恐らくされていない方が大半なのではないかと思います。今の就職活動も同じで、特に文系に言えることですが、一部を除くほとんどの企業で大学の成績を採用の参考にはしていません。なぜなら、成績が学生の能力を表す信頼できる指標となっていないため、企業側も学校の成績では学生を評価することができないという現状があるからです。
つまり、この成績を採用の参考にできない状態が、今の就職活動と大学教育のねじれを生んでいるのです。
そこで今回は、そのねじれを生んだ就職活動における「負のスパイラル」について、順を追って説明していきます。
企業は成績をあてにせず、面接で合否判断
「勉強より課外活動重視」の学生が増加
現在、多くの企業の採用活動では大学の成績を参考にしないので、市販のテストや、エントリーシートで足切りをして、その後は面接で合否を判断します。
面接は少ない企業で3回程度、多い企業では10回以上の企業もあります。
面接での質問は、
「学生時代にチームで何かを成し遂げたことはありますか?」
「アルバイトは何をやっていたのですか?その中でどんなことを学びましたか」
「大学時代に一番力入れたことを教えてください。そこで身についたことを教えてください」
「友人からはどのような人だと思われていますか。それを表すようなエピソードを教えて下さい」
「自分の長所は何ですか?それを表す具体的なエピソードを教えて下さい」
というようなものです。
企業は面接で人物像を判断する必要があるため、具体的なエピソードや、例を話すように学生に求めます。学生は、具体的なエピソードを話しやすいサークル活動やアルバイト等の課外活動の経験を話すことになります。
面接の会話内容で合否が決定するので、学生側もそれに対応するために様々な課外活動に力をいれます。留学経験者や学生起業家、世界一周旅行者などを面接の会場では多く見かけます。
また、就職活動で希望の企業から内定を得るためには「勉強より課外活動が大事」という話は、入学したらすぐにサークルの先輩が教えてくれます。