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不機嫌な就活 辻太一朗

むしろ学業を疎かにする大学生が増えてしまった?
2ヵ月遅れの就活開始がもたらした本末転倒な事態

辻太一朗 [大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会(DSS)代表]
【第1回】 2012年10月24日
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 はじめまして。「大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会」という長い名称のNPO法人の代表を務めております、辻 太一朗と申します。略称は「DSS」です。

 会の主旨は名前の通り、就職活動と大学教育の間に存在するねじれを解消し、大学生が真剣に学業と向き合う環境を作り出すことでより良い社会にしていくことです。来年の5月まで隔週で、「不機嫌な就活」と題して時期に沿って、その時期の就職活動の現状とその問題点などについて書かせていただきます。是非よろしくお願いします。

 さて第1回目となる今回は、「就職活動のスタートの時期」についてみなさんと一緒に考えたいと思います。

「企業説明会」と「大学の試験」が同時期に!
業界研究や自己理解不足のまま就活へ

 実は昨年、一昨年までの就職活動との間で大きな変化が起きました。

 それは、「就職活動のスタートが10月からではなく12月からになった」ということです。

 従来は、学生が企業に名前を登録し、就職サイトなどを利用しながら企業側と連絡をとることが可能になる時期が、大学3年生の10月1日からでした。主な就職サイトとしては、「リクナビ」「マイナビ」「日経就職ナビ」などが挙げられます。しかし、昨年の大幅な変更により、その時期が2ヵ月遅れ、12月1日からになりました。

 この変更の目的は、就職活動のスタートを遅らせることで、学生が学業に専念する十分な時間を確保し、より学業に向き合ってもらうというものでした。この流れは大学などからの要望によって高まり、経団連等の大手企業が集まった経済団体も賛同するに至りました。そして、就職サイトの運営会社間で協議して、就職サイトのスタート時期を2ヵ月遅らせることになったのです。

 では、就職活動のスタート時期を2ヵ月遅らせた結果、本当に学生は学業に向き合うことができるようになったのか。私はできていない、むしろ悪影響を与えてしまったのではないかと思います。

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辻太一朗 [大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会(DSS)代表]

1984年に京都大学を卒業後、(株)リクルートに入社。人事部で採用活動を担当し、延1万人を超える学生を面接する。その後、採用コンサルティング&アウトソーシングを事業内容とする(株)アイジャストを設立。毎年100社以上の採用コンサルティングを手がける。2006年にリンクアンドモチベーションとの資本提携後、同社の役員を兼務。2010年にグロウスアイを設立し、企業・教育機関へのコンサルティング、就業力を高めるコンサルティングを展開。2011年、NPO法人「大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会」を設立。著書に「面接官の本音シリーズ」、「採用力のある面接」、「就活革命」、「辻式 就職面接内定メソッド」などがある。「カンブリア宮殿」などの報道番組の出演経験あり。


不機嫌な就活 辻太一朗

学生が「就職難」にあえぐ昨今。企業側は「よい学生がいない」と嘆いている。このように学生と企業がすれ違うのは、学生の質の低下だけが理由ではない。「就職活動」そのものに問題があるためだ。この連載では、学生・企業・大学の三者の間で起こる就職活動にまつわる勘違い、ねじれを指摘していく。 

「不機嫌な就活 辻太一朗」

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