ビジネスの最先端を走る堀江氏と森川氏には、どんな世界が見えているのか?「これは、こういうもの」「これが当たり前だ」……。そんな「思い込み」が仕事を台無しにしている。タブーや常識の向こう側にある「本質」をつかめるかどうか。それが、ビジネスの成功を決定づける――。『逆転の仕事術』(堀江貴文)、『シンプルに考える』(森川亮)ともに新刊が話題のお二人と、看板娘・寺田有希が送るニコニコ生放送『BARホリエモンチャンネル』ダイジェスト版、連載第2回。(構成:田中裕子)

ダメなサービスは、「思想」がダメ

【堀江貴文×森川亮 特別対談(2)】<br />仕事の「思想」を変えれば、チャンスは無限大!<br />

堀江貴文(以下、堀江) ブログってここ10年くらい全然進化していないと思うんですよ。ライブドアブログにしたって、びっくりするくらい同じです。寺田さん、ブログ書くの大変だと思わない?

――(寺田有希、以下同)いろいろなブログサービスを転々としたんですけど、結局どれも書かなくなっちゃいました。画像はどう貼り付けるかとか、いつ投稿するかとか、面倒なんです。Facebookを更新したほうがラクだなって。

森川亮(以下、森川) ブログとFacebookって、メールとLINEの心理的な差と近いですよね。もう「ブログとはこういうものだ」というフォーマットができあがってしまっているから、それに従うとブログらしいブログしか生まれない。もうね、ブログはタイトルやめちゃえばいいんですよ。

堀江 あ、森川さん、いますっごくいいこと言いました!

森川 ありがとうございます(笑)。

堀江 うん、タイトルなんてやめちゃえって考え、まさにメールがLINEに変わったときと同じです。そういう設計思想のブログサービスがないんですよ。たとえば、いちいちプルダウンで選ばせる投稿時間。投稿時間は「今」でいいし、予約するとしても「明日の早朝」みたいにざっくりでいい。「そもそも、この機能はなんで必要なの?」って話で。

森川 ああ、それ、以前堀江さんがTwitterでつぶやいていた、銀座のタクシー乗り場の話と同じですね。「歩いている時間がもったいないからタクシーに乗るのに、なんでタクシー乗り場まで歩かないといけないのか?」って怒っていた(笑)。

堀江 ああ、ありましたね。

森川 多くの人は「ルールだから仕方ない」と思ってしまうところですよね。世の中、そういう小さな問題って多いはずなんですよ。でも、「そういうものだ」と思えば「なんで?」を抱けなくなる。この「なんで?」という小さな疑問を持ち続けることにこそ、チャンスがあるはずなのに。起業だってそうでしょう。

堀江 僕は問題さえ解決できるなら自分が手がけなくてもよくて、ブログ問題にしてもタクシー問題にしても、いろいろなところでアイデアを話しています。それなのに誰もやってくれないから、仕方なく新しいブログサービスをつくっているところですよ。いやー、でも「タイトルをなくす」までは考えなかったなあ。