福島第一原発事故を半年前に予言した書『原子炉時限爆弾』で衝撃的な事実を発表したノンフィクション作家の広瀬隆氏。
あの原発事故から4年が経った。
このたび、『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』でおそるべき予言をした著者が、再稼働目前となった、鹿児島県にある川内(せんだい)原発の知られざる危険性を緊急警告する。
川内原発は“わが国初の
大地震の直撃を受けた原発”
1943年生まれ。早稲田大学理工学部卒。公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図的で衝撃的な事実を提供し続ける。メーカーの技術者、医学書の翻訳者を経てノンフィクション作家に。『東京に原発を!』『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』『クラウゼヴィッツの暗号文』『億万長者はハリウッドを殺す』『危険な話』『赤い楯――ロスチャイルドの謎』『私物国家』『アメリカの経済支配者たち』『アメリカの巨大軍需産業』『世界石油戦争』『世界金融戦争』『アメリカの保守本流』『資本主義崩壊の首謀者たち』『原子炉時限爆弾』『福島原発メルトダウン』などベストセラー多数。
もうすでに2年間近く「原発ゼロ」のまま、電気が充分に足りる静かな時を過ごしてきた日本である。
「原発がなければ江戸時代に戻る」と言っていたのに、おかしいではないか。
ところが、無知無謀な電力会社と、天狗熱に浮かれた安倍晋三の日本政府と、原子力規制委員会・原子力規制庁が、日本にまったく不要の鹿児島県の川内《せんだい》原発を再稼働させようと、なりふり構わず暴走をしている。
今にも“第二のフクシマ原発事故”を起こそうとしているのだ。にもかかわらず、一般の日本人には、その危険性がほとんど認識されていない。
それは、テレビと新聞のマスメディアが、大声で警告を発しないからである。テレビと新聞の記者には、思考力がないのだろうか?
そもそも川内原発は、“わが国で最初に大地震の直撃を受けた原発”なのである。それは、たまたま幸運にも戦後半世紀、日本列島に続いた地震の静穏期を過ぎて、1995年の兵庫県南部地震によって死者6000人を超える阪神大震災を招いた直後であった。
つまり、過去に明治・大正・昭和に頻発したと同じような地震の大激動期に入って2年後、1997年3月と5月に川内《せんだい》市(現・薩摩川内市)を襲った震度5強と6弱の激震であった。
「断層がない」と言われていた、原発からわずか十数キロが震源だったのだ。
日本列島には、原発大事故の脅威となる最大の活断層として、列島を縦断する中央構造線と、日本の中央部を横断する糸魚川~静岡構造線(糸静線)がある。
4年前の東日本大震災以後、ついに昨年末の長野北部地震で、その糸静線が動いて、1メートル近いズレを起こした。大変な断層の動きである。