日々の業務に加えて、社内調整、部下や後輩からの相談が一気に増える40代。放っておくと、一日はあっという間に雑務で占められてしまう。だが、忙しい中でも本当に重要なことに上手に時間を割いて成果につなげる生産性の高い人は、どのように時間を管理しているのだろうか。シリーズ最新作『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』から、一部を抜粋して紹介する。

【後悔リスト3】目の前の業務に追われて、本当に重要なことができなかった

 20年前の管理職と比較してみると、昨今はプレイング・マネジャーの数がものすごく増えています。課長級に至っては、そのほとんどが自身の仕事と管理・監督職を兼任するプレイング・マネジャーではないでしょうか。

 中小企業では社長自らが営業マンとなって、率先して新規の取引先を開拓したり、技術者として新製品の設計をしたりすることも珍しい話ではありません。そうなると、仕事はどんどん増えていきます。

 日々の業務に加え、会社や上司への報告資料の作成や関係部門との調整だけでもパンパンなのに、そこに部下や後輩の「ちょっといいですか」に対応していると、まとまった時間など、とてもつくれるものではありません。

 しかし、仕事の成果につながるのは、日々の雑務より、もっと長期的に見て重要な仕事だということをほとんどの人は知っています。多くの諸先輩たちも、そのことを理解しつつも、急ぎの雑務に追い立てられていたことを強く後悔していました。

 逆に、忙しい中でも本当に重要なことに時間を上手に割けていた人は、どういう時間管理をしていたのでしょうか。うまくいっている人に共通していたのは、その日の中で「最も重要なタスク」が何かを考え、それをどの「時間帯」でやるかを意識していたことです。

 つまり、成果につながる仕事を見抜き、そこに集中力が最大化する時間帯を配分して、一気に取り組んでいたのです。ある時間帯にその日の重要な仕事を集約させて、それを立脚点にしてレバレッジをかけているようなスタイルでした。

 時間管理のやり方は人それぞれですが、一日を通してフラットにやっている人はほとんどおらず、強弱をつけるように、一日のうちの時間帯にも差をつけていました。そのやり方をまとめると、次の三つになります。

(1)自分の「集中ゾーン」を最初に「コアタイム」として設定する
(2)やるべきタスク数を制限する
(3)他から邪魔されないように徹底ブロックする