「わたし、スーパースターになりたい」

「女子高生社長」として有名な椎木里佳さん。パパは「鷹の爪」で有名なコンテンツ会社「ディー・エル・イー」の椎木隆太社長です。

 里佳さんが、上場企業の社長であるパパに「経営」のことを聞く企画。今回は、里佳さんの子ども時代に話が及びます。

(取材・構成:佐藤智、竹村俊介、撮影:宇佐見利明)

【第1回】「起業って、学校では教えてくれない大切なことが学べるんだね!」

【第2回】「パパを見てて『すごい楽しそうだなあ』って思ったんだ」

わたし、スーパースターになりたい

パパ 里佳は学校生活だけで満足、って感じじゃないよね?

里佳 ちっちゃいころからずっと満たされないよ。

パパ 「私はもっとできる!」っていう?

「わたし、スーパースターになりたい」

里佳 そう。なにかもっとできるって、いつも思うんだよね。「なにかしよう、なにかしよう」って。だから「もう、これでいいや」っていうのは、まったく思わない。

パパ そういえば、里佳が高校二年生のときだったかな。テレビでインタビューされたことあったよね?

里佳 うん。高一で新聞に取り上げられて、そこそこ目立ち始めたころだったかな。

パパ そのインタビューで「里佳さんは、ここまですごく順調に来ているけれど、どうですか?」聞かれて、「なに言うのかな?」と思ってたら……覚えてる?

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里佳 うん。「私の予定では既にスーパースターになってるはずなのに、まだ自分はこんなところにいるのが納得できない」みたいなこと言ったんだよね。

パパ てっきり「新聞に出たら反響が大きくてビックリしました」的なことを言うのかと思ったのに。

里佳 手帳に書いてたのね。「○月には新聞に出る」「○月にはテレビに出る」「○月にはみんなからチヤホヤされる」みたいに計画を書いてた。それで「11月にスーパースターになる」って書いてたの、そこには。

 だれど、そのときはぜんぜんスーパースターになれてなかった。目標からはほど遠くて全然クソだったから「本当にまだまだです」みたいな感じで言ったんだよね。

パパ それ見てビックリして。「そんな簡単にスーパースターなんかなれるわけないだろ」なんて思いながらも、野心のスケールがデカいなって思ったよ。

里佳 だから常に現状に不満を持ってるんだよね。一日の最後に「今日もっと、あれができたかな」とか。それは子どものときからそうで、例えば「トイストーリー、もう一本見れたな」とか(笑)。

パパ ひとり反省会ね。

里佳 みたいなのを、けっこう毎日やってて。勝手に反省してるんだよね、いつも。

泣き虫小学生から、中学で「キャラ変」

パパ 昔は「アイドルになりたい」とか言ってたよね?

里佳 アイドルかわかんないけど、注目されたい、目立ちたいって思ってた。

 でも、小学校六年間ずっと同じクラスだったから、小一で付いたポジショニングってずっと同じなの。小一のときって私、めっちゃ泣き虫で、授業初日のときに朝、教室でパパから離れただけで、大泣き。先生、超困るみたいな。だから、ポジショニングは全然上じゃなく、むしろ下から数えたほうが早かった。

パパ 一番、背もちっちゃくてね。

「わたし、スーパースターになりたい」

里佳 そう、ちっちゃくて。なので、小学生のときは、前に出たいなと思ってたけど、出られず。

 中学に入るときに「これを変えるのは今しかない」と思って、キャラ変し始めて、目立つ努力をだんだんしていったんだよね。

パパ そうか、小学校のときは「こんなはずじゃない」みたいな気持ちだったんだ?

里佳 強かったね。全然モテなかったしね。小学生のときだって、「あの子好き」みたいなのあるじゃん? でも、全然なかった。「好き」なんて、言われたこともないし。

一回告白したときもあったんだけど「は?」って言われて。それですごく落ち込んで、「中学になったらモテたい!」って。

パパ モテたいと思ったんだ。

里佳「絶対モテたい」と思って(裏声で)。

パパ 裏声になるぐらい(笑)。

里佳 それで、部活に5つ入ったのね。いっぱい入れば目立てるかなと思って。ダンス部とか。

パパ おー、モテそうだね。

里佳 モテそうでしょ。なので、全然キャラじゃないダンス部とか入って、派手な人たちに揉まれながらやってた。

パパ 「キャラ変」したわけね、そこから。

里佳 キャラ変。小学校で6年間溜まっていたものが全部バーッと出た。

パパ 花開いたわけだ。

里佳 そう。

パパ ネット上で責められるぐらいキャラ変したんだね。

里佳 そう。

パパ ところで、たらしてたって何してたの?(汗)

里佳 彼氏をとっかえひっかえしてた。

パパ そりゃ責められるよ。

里佳 中学生の恋愛なんて、そんなもんだよ。

パパ そういうもの?

里佳 とっかえひっかえしてたら、元彼のまわりの男の子たちが無駄な正義感持ち始めちゃって、いろいろ言われるようになった。すれ違いざまにボーンってぶつかられたりとか。

パパ まあ、それもすべて経験だよ。

「わたし、スーパースターになりたい」

 ぜんぶ里佳が蒔いた種でもあるしね。「行動した向こうに結果があって、責任が生じる」という当然の流れを勉強してもらえればいいかな。

里佳 いい勉強にはなりました……。

 

(続く)

この対談を特別編集し、「起業と経営の基本ノウハウ」を詰め込んだ椎木里佳さん・隆太パパ初の著書『女子高生社長、経営を学ぶ。』がダイヤモンド社より来春発売予定! 乞うご期待!