【第7回】 2008年04月08日
北京五輪を待たずに中国経済バブルの崩壊が始まった
「上海総合指数の下落はまだ始まったばかり」。
現地の証券会社のアナリストたちは、中国株の今後の株価を、そう予想している。
そもそも上海総合指数は2006年まで1000ポイント台を推移していた。ところが2005年に、会社法、証券法などが改正されてからは、いっきに6000ポイントまで上昇。銘柄によっては1年で4倍以上に資産が膨らんだ。株式市場を活性化させるための会社法、証券法政策は成功したといえる。
しかし、今度は抑制の仕方を知らなかった。過剰なまでに上昇しすぎた株価を下げるため、引き締め政策を打ち出したが効果はなかった。全国人民代表大会(全人代)で何か政策を掲げ、それによって株価が上がることを投資家は狙っていたからだ。確かに昨年は農業政策を打ち出し、農業関連銘柄だけが急騰した。
複合的な要因で
下落を続ける中国株
ところが今年の全人代は、いつもの期待とはちょっと違っていた。胡錦濤は貧富の格差や中国経済の成長のひずみに対しての問題点を認め謝罪会見をしたにすぎなかった。株価はここに来て、3500ポイントの水準まで下落している。
原因は以下のとおりである。
1)米国サブプライムローンの影響
輸出に依存している中国の製造業が、輸出減少により業績悪化している。米国経済が世界に与える影響によって、中国経済にも今後さらなる悪影響が懸念される。
すでに国際経済の中に主要な位置として組み込まれた中国は、もはや政策によってコントロールできる「社会主義市場経済」という独特の手法だけでは運営が不可能となった。だからといって完全な成熟した市場経済に移行できているわけではない矛盾した難しい時期であることを、政府は全人代において認め、経済をコントロールできない苦悩をにじませた。
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著者プロフィール
- 柏木理佳
(中国経済ジャーナリスト)
嘉悦大学短期大学部准教授。富士通総研研究員。豪州テイラー大学卒、北京首都師範大学留学、豪州ボンド大学院MBA取得。香港で国際線客室乗務員、NHK契約アナウンサーなどを経て、中国、マネー分野の専門家として活躍。『柏木理佳の中国産業「宝」地図―成長する中国、ダメな中国の見分け方』『中国株でお金持ちになる』など著書多数。柏木理佳ホームページ
この連載について
驚異的な成長の中で、社会や経済の歪みを孕む膨張大国・中国。中国経済の専門家が、日本人には驚きの中国の知られざる現状をレポートする。
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