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『うつ』のち、晴れ 鬱からの再生ストーリー

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いるだけで「イラつく職場」「空しくなる職場」

~ 専門家は語る(ジェイフィール執行役員 高橋克徳氏)【前編】~

 パーテーションで区切られた、都心のオフィス。私語もなく、しーんと静まり返った様子は一見、仕事に熱中しているようだが、よく耳を澄ますとそうではないことがわかる。

 時折漏れてくる誰かの溜息。叩きつけるように電話を切る音。やたらカタカタと響くキーボードの音にも、どことなく鬱憤が感じられる。なにより、職場全体に漂っている重苦しいムードは、社員たちの不満がそうとう募っていることを示している。どんな不満なのか、ちょっと心の中を覗いてみよう。

 「こんな仕事を続けたって、キャリアにつながるわけがない。このままだとオレ、完全に負け組だよ」(新人君)

 「あなたは即戦力ですから、とか言っちゃって。結局、仕事はこっちに丸投げじゃない。誰も助けてくれないし、もう体力の限界!」(中途採用さん)

 「自分の仕事で手一杯なのに、新人の尻拭いまでできないよ。あいつら、どうせすぐ辞めるんだろ」(中間管理職氏)

タコツボの中の
憂鬱な人々

 彼らの心に渦巻くのは不信感、あきらめ、そして不安。このままでは、うつ休職者が続出しても不思議ではない。

 社員がそれぞれ自分の殻に閉じこもり、周囲との連携を失っている「タコツボ職場」が増えている――こう指摘するのは、「不機嫌な職場」(講談社現代新書)の著者の1人で、ジェイフィールの執行役員、高橋克徳氏だ。パソコンによる業務が普及し、仕事が効率化、専門化した今の企業では、自己完結型の仕事が増えている。まるで1人ひとりがタコツボの中で働いているようだ。

 みんなが孤立した職場では、お互いを認め合ったり支えあったりできない。このため、冒頭のような「不機嫌モード」が職場を支配し、社員のメンタルヘルスが悪化していく。

 「組織にはそれぞれ感情があります。組織全体が明るくて元気があれば、社員ひとりひとりも溌剌と仕事ができる。逆になんとなく暗く、ギスギスした職場だと、働く人も鬱屈してくる。組織感情と個人の感情は連鎖するものなのです」

あなたの職場の
「組織感情」をチェック!

 組織には感情がある。そしてその感情は、今の企業社会ではふとしたはずみにどんどん悪化しかねない。さて、あなたの会社の組織感情はどのような状態にあるだろう。そして、これからどうなっていく可能性が高いだろうか。

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著者プロフィール

西川敦子
(フリーライター)

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。

この連載について

うつをきっかけに、生き方や働き方を見つめ直した人々にフォーカス!うつに負けない、うつを乗り越えるための知恵と活力を探っていく。

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