10月に発売された「Windows 7」は、Windows Vistaに比べ動作が軽く使いやすくなり、売れ行きも好調だ。

 そのWindows 7の登場により、パソコン本体の世界に多少動きが出てきた。小型軽量のノートパソコン「ネットブック」とは別の新しいカテゴリーのノートパソコンとして、「CULV」に各メーカーが力を入れ始めているのだ。

 CULVとは「Consumer Ultra Low Voltage」の略。簡単に言ってしまえば、ネットブックよりもやや性能の高いノートパソコンだ。液晶ディスプレイは11~13インチワイド、DVDドライブなどの光学ドライブは省略し、その分本体を薄くしている。

「dynabook mx」
東芝が発売する「dynabook mx」シリーズは「ネットノート」という愛称が付けられている。11.3インチワイド液晶モデルは7万9800円ほど。約9.5時間の連続駆動が可能だ。

 CPUにはインテル製のCeleron 743などを搭載。現在主流のCore 2 DuoやCore iなどに比べると性能は劣るが、ネットブックに搭載されているAtomに比べればかなりパフォーマンスがアップする。価格帯は6万円台から10万円台と、比較的手ごろなのも特徴だ。

 またバッテリーの連続駆動時間が長いという側面も持つ。もちろん、高性能ノートパソコンに比べれば小型軽量なので、モバイルマシンとしても成立する。

 CULVに各社が力を入れ始めているのは、Windows 7の登場によるところが大きい。Windows 7は最新OSながらも動作が軽いのが特徴。CULVのような“そこそこの”スペックのマシンにインストールしても、快適に動作する。Windows 7が発売されたことで、最新の高性能ハードウェアではないCULVでも、十分実用的なノートパソコンとして成立するのだ。

 現在各社がCULVに力を注いでいるが、なかでも東芝は「ネットノート」という愛称を付けて売り出し中だ。このネットノートというのは、「ネットブック」と「ノートパソコン」の中間に位置するCULVにはぴったりのネーミングといえる。

 CULVはマルチメディアファイルの編集などにはやや物足りないスペックだが、通常のビジネス文書の編集や閲覧といった使い方には十分。今後、高価で高性能なノートパソコンやネットブックよりも、このゾーンが主流になっていくことだろう。

(三浦 一紀)