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トヨタの電子制御問題に隠れた事実!
アメリカ人特有のアクセルの踏み方

 「アクセルを踏んでも(車の動きが)遅いと怖い」。これは、一般的なアメリカ人女性が車の運転に対して良く使う言葉だ。

 それに対して、2010年2月23日(火)、全米に強烈なインパクトを与えた「スミス氏の涙」=「Unintended acceleration (予期できない急加速)」(本コラム第32回「トヨタ車の品質は本当に下がったのか?」)は、「(自分の意思によらず、アクセルがドンドン踏み込まれて車の動きが)速くて怖かった」ということだ。

ニューメキシコ州アルバカーキーのフリーウエイ25号線の合流ポイント。前方には、果てしなく続く地平線とブルースカイ。アクセルの踏み込み量は自然と多くなってしまう。

 その原因として取り沙汰されているのが、フロアマットにアクセルペダルが引っかかった、または電子制御によるアクセル作動信号の誤作動などだ。

 米下院・エネルギー商業委員会・小委員会・公聴会では、「スミス氏の涙」の翌日、トヨタ自動車(以下、トヨタ)の豊田章男社長が出席。翌週3月2日には、米上院・商業科学運輸委員会・公聴会に、トヨタの佐々木眞一副社長(品質保証担当)、内山田竹志副社長(技術担当)が出席し、一連のリコール問題全般について粛々と返答した。

 こうしたトヨタ幹部と米議員の間で、トヨタ側は「電子制御によるアクセルの誤操作は、弊社での各種調査の結果、発生の可能性はないと判断する」旨の発言を繰り返した。だが、アクセルという操作系の基本となる議題、つまり「日米でのアクセルの使われ方の違い」については深い議論がなかった。

 詳しくは後述するが、技術開発の面では、トヨタは北米仕様でのアクセルセッティングを日本仕様から変えるなど「日米でのアクセルの使われ方の違い」を十分認識している。しかし、今回の公聴会のなかでそうした議論は、一連のリコール問題に直結する、部品の設計時点でのミス/製造委託先における製造時点での精度のバラツキ等とは「別の種類の課題」であるため、論議対象にならなかったのだと思う。

 また、全米でいまだに増加傾向が見られるトヨタリコール問題関連の集団訴訟に対しても、「日米におけるアクセルの使われ方の違いと、それに関するトヨタ側の捉え方」がどのような影響を及ぼすかを、トヨタの「危機管理チーム」は十分認識しているのだと思う。

 そうしたなか本稿では、日米で定常的に自己所有車とレンタカー、さらにさまざまなメーカー広報車(=メーカー主催メディア試乗会での走行用、または取材目的で個人的にメーカーから数日間借りる車両)を運転している筆者の体験に基づいて、「日米での、アクセルの使われ方の違い」を説明する。

 また、過去に各種の日米欧の自動車(及びタイヤ、自動車部品)メーカーのテストコースでの走行体験、加えてメーカー関係各位とのやり取りのなかで筆者が収集した内容についても紹介したい(筆者と相手側が書面などで機密保持義務を約束した案件は除く)。

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第33回
トヨタの電子制御問題に隠れた事実! アメリカ人特有のアクセルの踏み方 (2010年03月09日)
第32回
トヨタ車の品質は本当に下がったのか? バッシングの嵐が覆い隠す問題の核心 (2010年03月03日)
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著者プロフィール

桃田 健史
(ジャーナリスト)

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中

この連載について

「エコカー=日本の独壇場」と思っているとすれば、それは大間違いだ。電気自動車、ハイブリッド車を巡る市場争奪戦はこれからが本番。日本は序盤戦を制したに過ぎない。世界規模の取材でエコカー大戦争の行方を探る。

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ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車の共存でビジネスモデルは混沌!トヨタ、ホンダ、日産、三菱など日本メーカーは世界で勝てるのか?年間飛行機移動時間が最も長い日本人自動車ジャーナリストが世界のエコカー事情を徹底取材。市場・インフラ、技術、政策、各社の戦略を詳細かつヴィヴィッドにレポート!

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