【第13回】 2008年03月03日
三菱電機撤退で、加速する携帯端末メーカー再編の行方
世界の5%に満たない日本の携帯端末市場には、10社以上のメーカーがひしめき合う。通信事業者に一括で買い取らせるのがこのビジネスのうまみだが、市場は伸び悩み、端末メーカーの優勝劣敗は明確になりつつある。海外進出に賭けるか、撤退・再編に追い込まれるか。端末メーカーの苦境と、再編の行方を追った。
3月3日、三菱電機が携帯端末事業からの撤退と新規開発の中止を発表した。
供給先がNTTドコモ1社しかない三菱電機の携帯端末の売れ行きは不振に陥っていた。2007年度の販売目標台数は、280万台から210万台にまで引き下げられた。そのため、携帯端末を含む情報通信システム部門は、他のシステム構築事業などが好調だったにもかかわらず、第3四半期には営業赤字に転落してしまった。
三菱電機はITバブル崩壊以降、半導体事業の分離など大胆な構造改革を実施してきた。結果、連結売上高は3.8兆円と日立製作所の4割に満たないが、営業利益率はその日立の3倍以上に当たる6%と電機業界屈指の高さを誇る。それだけに、携帯端末事業の不振は看過できない状況にあったのだ。
苦しいのは、じつは三菱電機だけではない。経営再建の途上にある三洋電機は、すでに京セラへの事業売却を決めた。内情は青息吐息で、本音をいえば携帯端末事業から撤退したいと考えているメーカーは、1社や2社ではないだろう。
なにせ、世界市場11億台余に対して、国内需要はわずか年間5150万台。世界シェア4割を握る首位、ノキア(フィンランド)の出荷台数1ヵ月強分である。これだけの市場に、10社以上の端末メーカーがひしめき合うのだから、明らかな過当競争である。
世界を見渡せば、端末メーカーはノキア、韓国サムスン電子、米モトローラ、スウェーデンのソニー・エリクソン、韓国LG電子の五強にほぼ集約されている。エリクソンと事業統合したソニーを除けば、国内首位のシャープですら世界市場に食い込めていないのだ。
シャープの出荷台数は年間1550万台。ノキアのじつに4%弱である。これだけ製造規模が違えば、コスト競争には絶対に勝てない。グローバルプレーヤーが5社しかないのに、国内でいったい何社が生き残れるだろうか。
「0円端末」の消滅で苦境に陥るメーカー
これまで国内で10社もの端末メーカーが食えた理由は、大きく3つある。
Special Topics
バックナンバー
Pick Up
新着トピックス
- 野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
- 「円高こそデフレの原因」説の怪しさ ──今こそ必要なデフレの経済学(6)
- 日本を元気にする企業の条件
- ホンダ、ヤマハ発、味の素、住友化学… 日本企業にもあるBOP市場開拓のネタ
- 『週刊ダイヤモンド』特別レポート
- 市民による市長リコールもまだできない 阿久根市政“大混乱”の責任は誰にある?
- News&Analysis
- 苦境の地方空港に追い討ちも? 火種くすぶる「ハブ空港」議論の真実
- 岸博幸のクリエイティブ国富論
- 日本のためにならない「FREE」礼賛論を疑え!
- 追跡!AtoZ ~いま一番知りたいテーマを追う!超リアルドキュメント
- 大ヒット商品が続々「特許切れ」へ。 2010年以降、もう「新薬」は生まれない!?
- チャンスを逃さない! 今どき「住活」事情 By SUUMO(スーモ)
- エコポイントがなくても人気は絶大? 想像以上に盛り上がる「エコ住宅」ブーム
- 働き盛りのビジネスマンを襲う 本当に怖い病気
- 手足のひび割れと関節痛が同時に!? 骨の変形をも引き起こす皮膚病の正体
ダイヤモンドオンラインplus 知っておきたい価値ある情報
最新の連載一覧
経済・時事
経営・戦略
スキル・キャリア
Diamond Premium 最新記事 無料会員登録すると全文が読めます
- 公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略
- “不況に強い”にも関わらず売上急減!? 医薬品業界を襲う「2010年問題」とIFRS
- 金融市場異論百出
- 超インフレ国はジンバブエのみ 世界が学んだ「最低限の規律」
- 週刊ダイヤモンド 企業特集
- ユニー 前村哲路社長インタビュー 「現場の自由裁量権を広げ 個店経営のウエートを高める」
- 『社会貢献』を買う人たち
- キレイになって、途上国を支援! 女性の飽くなき「美への探求」が生んだ、一石二鳥のビジネスモデル
- 山崎元のマネー経済の歩き方
- 対等合併の呪

- 岡野工業・岡野代表エッセイ
- “神の手をもつ男”岡野雅行氏が日本の物づくりに「常識を捨て去れ」と喝!

- DOL編集部のツイッターを開始
- 最新記事の話題から編集部の日常まで、24時間つぶやきます。フォローよろしくお願いします。
Business information
アクセスランキング
- 2位
- 週刊・上杉隆
- 元秘書として鳩山邦夫氏に苦言を呈す 信念の見えない離党に意味はあるのか?
- 3位
- News&Analysis
- 日本が望みを託す宇宙開発の切り札! 「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ
- 4位
- China Report 中国は今
- 優秀な中国人学生を採用できなくなった日本企業
- 5位
- 評価が上がる!上司を味方にする技術
- 上司に好かれる話の聴き方、嫌われない質問の方法
Recommend 話題の記事
- China Report 中国は今
- 優秀な中国人学生を採用できなくなった日本企業
- 田中秀征 政権ウォッチ
- 鳩山首相「発言のブレ」正当化に疑問を呈す
- News&Analysis
- 日本が望みを託す宇宙開発の切り札! 「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ
- 山崎元のマルチスコープ
- 官民一体の海外ビジネス受注期待を怪しむ
- ミドルマネジャーのための「不機嫌な職場」改革講座
- この閉塞感はどうにもならないのか? 組織の成果を最大化する人事制度とは
- SPORTS セカンド・オピニオン
- 大リーグ球団にとっての、日本人選手の価値を考える
- 政局LIVEアナリティクス 上久保誠人
- 参院選がどう転んでも、 政界の「世代交代」加速は止められない

- 【PrimeTime】トップインタビュー
- 「サービス力は人財力と組織力の掛け算」~百瀬次生・日立電子サービス社長

- 【THEProject】プロダクトとサービス最前線
- 現実味帯びる「IFRS」。最新会計基準対応処理システムを低コストで提供
雑誌定期購読のご案内
特大号・特別定価号を含め、1年間(50冊)市価概算34,500円が、定期購読サービスをご利用いただくと25,000円(送料込み)。9,500円、約13冊分お得です。さらに3年購読なら最大49%OFF。
1冊2,000円が、通常3年購読で1,333円(送料込み)。割引率約33%、およそ12冊分もお得です。
特集によっては、品切れも発生します。定期購読なら買い逃しがありません。
年間12冊を定期購読すると、市販価格8,400円が7,150円(税・送料込み)でお得です。お近くに書店がない場合、または売り切れ等による買い逃しがなく、発売日にお手元へ送料無料でお届けします。
※別冊・臨時増刊号は含みません。
偶数月の1日発売(隔月刊)。1年購読(6冊)すると、市販価格 5,880円→4,700円(税・送料込)で、20%の割引!
※別冊・臨時増刊号は含みません。
お知らせ・ご案内
- 会員専用ページ開始のお知らせ
- 7月より一部の記事で、無料会員登録した方だけが全文を読める形に変わりました。詳細はこちらをご覧ください。





