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難産のすえに開港の静岡空港
早くも不測事態の前途多難

 6月4日に開港した富士山静岡空港が連日、大にぎわいを見せている。ターミナルビル内は行き交う人びとでごった返し、そこかしこに長い行列が。苦難のすえにやっと開港した最後の地方空港である。関係者も大喜びかと思いきや、現実はやはりそう甘くない。

 開港から4日間で約4万6800人が空港ビルに入館したのに対し、搭乗客は約6800人。空港に詰めかけたのは見物客がほとんどで、本来のにぎわいとは異なる。

 開港後4日間の定期便とチャーター便の平均搭乗率は76.3%。開港前から懸念されていたことが早くも現実化しつつある。一つは、1日3往復する福岡便だ。朝夕の2便を計画した日本航空(JAL)に対し静岡県は、搭乗率が70%を下回った場合、1席当たり1万5800円の支援金を支払うという搭乗率保証を福岡便にのみ提示、3便の就航を実現させた。制度導入に批判の声も出たが、石川嘉延知事は「まさかのときの下支え」と説明し、押し切った。

 しかし、福岡便の搭乗率は昼便の低迷が足を引っ張り、68.5%。まさかではすまされない厳しい状況だ。それどころか、国内3路線、国際2路線の定期便の路線維持自体が危うい。週4便の就航予定だった中国東方航空の上海便が、新型インフルエンザの影響を理由に、6月の定期便6便の欠航を決めたが、初便の搭乗率が4割にも満たず、7月以降の運航を検討するという。

 さらにもう一点。山を削り、谷を埋めて造られた静岡空港は天候が変わりやすく、濃霧や低い雲が発生しやすい。開港2日目に懸念していたことが起きた。夕方に到着予定の2便が視界不良で着陸できず、中部国際空港への着陸を余儀なくされたのだ。このため、静岡空港発の2便が欠航になった。

 視界良好とはとても言いがたい。

(『週刊ダイヤモンド』委嘱記者 相川俊英)

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