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父と娘の就活日誌

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内定が出た!――喜びよりも安堵感

――就活は消耗戦

人事の最終面接に臨む

■4月4日

 前週号に書いたように、一昨日、面接で号泣したものの最終面接に残った金融機関B社に午後1時に訪問。午前中はメガバンクで面接を受けた。

 B社では、狭い会議室に1人案内されて、その部屋に先輩社員が入れ替わり立ちかわり入ってきた。顔見知りの若いリクルーターから、入社7~8年目の社員までの先輩が「これから面接か、がんばってな」などと娘に声をかけてくれた。その中には、まもなく産休に入る女性社員もいて、なにか少し安心した気持になったという。

 待機していた間に、最終面接に提出する履歴書の作成を指示された。それまでは、簡単な面接シートを書いただけだった(エントリーシート(ES)は事前に提出済み)。

 その後、先輩リクルーターが、面接の心構えを話すとともに、実際に模擬面接までやってくれた。娘は、「こう話せばいいのか」とその時はじめて面接のコツがつかめた感覚があったという。

 長時間待ったので、1人にしてほしい気持ちもあったが、先輩たちは次々と訪れた。この時点で内々定の見込があるのはB社だけだったので、ここで落ちたらどうしようという不安も頭をよぎっていた。

 最終面接は午後5時から始まり、1時間程度だった。会社側は、人事部長を中央にして3人が並び、娘を含めた6人の学生との集団面接だった。おそらく1時間ごとに、グループが分けられていて順番に実施されたのだろう。5回面接を行えば30名の最終面接ができる勘定だ。

 面接では、先ほど書いた履歴書に基づいて、ゼミで学んでいる内容やサークル活動について聞かれた。どちらかといえば、あまり突っ込んだ内容ではなかった。6人に共通した質問は「当社からOKが出た場合には、就職活動をどうされますか?」だった。

 娘は「御社に行きたいと思います」と短く答えた。実際そう思っていたし、中途半端に答えて縁がなくなった会社もあったからだ。1人の男子学生が「すごく嬉しいですけれども、もう少し他社も廻りたいと考えています」と発言した。「ここで決まったら就活をやめてください」とリクルーターから何度も聞かされていたので、この場に及んで「第1志望と言わない人もいるのか」と驚いた。

ついに初の内定!

 きちんと話を聞いてくれたので、面接はまずまず納得いくものだった。終了後、元の部屋に戻ってしばらくすると、大学の採用ヘッドから「おめでとう」と告げられた。小躍りするような喜びを感じるよりも、ほっとしたのが正直なところだった。「これで一区切りついた」という安堵感が大きかったという。

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著者プロフィール

楠木新
(「こころの定年」評論家)

大手金融機関勤務のかたわら、企業など組織を離れて「いい顔」で活躍している中高年に対するインタビューを重ねている。2007年3月より朝日新聞be(土曜版)でコラム「こころの定年」を連載中。著書に『ビジネスマン「うつ」からの脱出』(創元社刊)がある。

この連載について

働く価値観が多様化する中、超売り手市場の環境下で、大学生はどのように企業選択をしていくのか。就職活動に臨む大学3年生の娘と父とのリアルな対話を通して、実状に迫る。

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