【第65回】 2009年11月20日
事業仕分けは「悪いリストラ」の典型になっていないか?
行政刷新会議による事業仕分けの第1ラウンドが終わりました。来週に第2ラウンドが始まります。最近はテレビなどで評価を聞かれることも多いので、第1ラウンドの様子を踏まえてどう評価すべきかを整理しておきたいと思います。
成果は確かにあった
行政刷新会議の事業仕分けについては、高く評価できる点があります。それは、事業仕分けのプロセスを公開することで、自民党政権時代はずっとブラックボックスの中にあった予算の詳細な中身や編成プロセスの一部を、はじめて白日の下に晒すことが出来たということです。その結果、世の人が国の予算というものにすごく関心を持ってくれるようになったことも、大きな成果と言えるでしょう。
かつ、これまでの予算プロセスは財務省 vs. 要求省庁+族議員という図式だったので、天下りした元官僚の給与の高さなど、予算の中身が世間の常識からかけ離れたものになることも多かったのですが、民間人の仕分け人を入れることで、民間の目線からの評価と査定が可能になりました。
その結果、これまで予算がいかに無駄に使われていたか、天下りなどで身内のために使われていたかも、ある程度明らかにされました。副産物として、例えば厚生労働省所管の独立行政法人に嘱託という形で“隠れ天下り”が行われていることなども明らかになりました。
これらの点は行政刷新会議による事業仕分けの成果であり、率直に評価すべきと思います。
その一方で、初の試みなので当然ではありますが、様々な問題点が露呈されたことも事実です。私は、少なくとも3つの問題点があるのではないかと思っています。
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著者プロフィール
- 岸 博幸
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)
1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス非常勤取締役を兼任。
この連載について
メディアや文化などソフトパワーを総称する「クリエイティブ産業」なる新概念が注目を集めている。その正しい捉え方と実践法を経済政策の論客が説く。
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