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経済ジャーナリスト 町田徹の“眼”

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JAL支援はまさに泥沼化の様相
1月にも再び「つなぎ融資」か?

 日本航空(JAL)に対する公的な支援・救済が、10日に発表された今回の分にとどまらず、来年1月以降にも再び繰り返されるという「泥沼化」の懸念が出てきた。

 政府が10日、再建支援か、破たん処理かなどの確固とした方針のないまま、当面の破たんを回避するための「つなぎ融資」に踏み切ったことが、その最大の原因だ。

 現状は、政府の「企業再生支援機構」が支援できるかどうかを判定する「資産査定」を行っている段階。この査定には、少なくとも、来年1月半ばぐらいまでかかる見通しだ。問題は、支援機構が設立法によって与えられている支援のスキームが、金融機関からの任意の債権買い取りなど私的整理に限定されており、実際の支援が可能なのかどうなのかが不明な点にある。

 もし、万が一、支援機構が「JAL再生タスクフォース」(チーム前原)に続き、再建の支援に失敗するようだと、政府は再び、機構以外の新たな再建支援の担い手や再建手法を求めて、時間と公的資金の無駄遣いを繰り返さざるを得ない事態に陥る。

 仮に再建を断念して破たん処理に進む場合、その準備の間の「つなぎ融資」が避けられない恐れは残るし、支援機構が再生支援を可能と判断しても、本格的な資本注入のための公的資金の投入が避けられない。

 こうしたもたつきと負担の増大は、鳩山由紀夫政権の発足から100日間程度のマスメディアとの蜜月(ハネ―ム―ン)期間の終了時期と重なり、政権の航空行政に対する批判を本格化させるリスクもありそうだ。

政府が一民間企業を救う根拠が
示されていない再建方策

 管直人内閣府特命担当大臣、藤井裕久財務大臣、長妻明厚生労働大臣、前原誠司国土交通大臣、平野博文内閣官房長官の閣僚5名は10日夜、「日本航空(JAL)の再建のための方策について」と題する文書に連名で署名した。そして直後に、この文書に基づいて、JALに対して当面の資金繰りをつけるため「つなぎ融資」を行うと発表した。

 同社の資金繰りが、数日以内に破たんしても不思議はない状態、と懸念されていたうえ、13日には中間決算発表があり、監査法人が同社の存続可能性のリスクを指摘するのではないかとの観測が出ていたからだ。信用不安の抑制には、政府によるつなぎ融資が避けられないと判断した。

 この「日本航空の再建のための方策について」は3項目で構成されている。

 第一項では、「我が国の航空ネットワークを経営する上で重要な役割を果たしている日本航空の再建を、国民目線に立って確実に進める」との基本方針を打ち出した。ところが、JALのどの部分が国民生活に不可欠なサービスであり、公的支援が必要なのかという点については、具体的な検証や議論がまったくなされていない。つまり、何故、一民間企業に過ぎないJALの再建を、政府が進める必要があるのか、その根拠が何も示されていないのだ。これでは、政府による支援・救済策として乱暴と言わざるを得ない。

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著者プロフィール

町田徹
(ジャーナリスト)

1960年大阪府生まれ。神戸商科大学(現兵庫県立大学)卒。日本経済新聞社に入社後、記者としてリクルート事件など数々のスクープを連発。日経時代に米ペンシルバニア大学ウォートンスクールに社費留学。同社を退社後、雑誌「選択」編集者を経て独立。日興コーディアルグループの粉飾決算をスクープして、06年度の「雑誌ジャーナリズム賞 大賞」を受賞。「日本郵政-解き放たれた「巨人」「巨大独占NTTの宿罪」など著書多数。

この連載について

硬骨の経済ジャーナリスト・町田徹が、経済界の暗部や事件を鋭く斬る週刊コラム。独自の取材網を駆使したスクープ記事に期待!

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