【第104回】 2009年12月11日
諸外国のエゴに屈すれば日本独り負け
COP15で問われる鳩山首相の交渉能力
コペンハーゲンで地球温暖化対策を話し合うために7日から始まった「COP15」(第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議)が波乱含みの展開をみせている。
英紙がホームページで報じた「政治合意」(コペンハーゲン合意)の原案が従来と違い、途上国にも温室効果ガスの排出抑制を迫る内容であり、途上国と先進国の対立に拍車をかける格好となったからである。
その一方で、米国と中国の2大排出国を始め諸外国は相変わらず、十分な削減目標を打ち出そうとしない。
早々と野心的な目標を打ち出してしまった鳩山由紀夫内閣が国益を守れるのか。来週の担当閣僚会合や首脳会合に続く12日間のマラソン会議をしっかりと見守っていく必要がありそうだ。
先進国は2050年までに
1990年比で80%削減
会議が2日目を迎えた12月8日、COP15はいきなり紛糾した。英ガーディアンが同紙のホームページ上で「コペンハーゲン合意」の原案をスクープしたからだ。その内容に対して、数の上で圧倒的な多数を誇る途上国グループが強い不満を表明する騒ぎになった。
ガーディアンの解説記事によると、この原案は「デンマーク案」と呼ばれる。その名の通り、今回のCOP15の議長国であるデンマークが作成したものだ。デンマークは内々に米国、英国の2ヵ国と事前に協議してまとめたという。
内容は、「世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2度以内に抑えるため、すべての国が『共通だが差異のある責任原則を表明する』」との基本方針を掲げたのが特色だ。その実現のため、具体策として、世界全体の排出削減目標が設けられる形となっており、「温暖化ガスの排出量を2050年までに1990年比で50%削減する」ことや、「2020年までに世界の排出量を増加から減少に転じさせる」ことを盛り込んでいる。特に、先進国については、2050年までに「1990年比で80%削減する」と明記した。
このほか、原案によると、コペンハーゲン合意は「政治合意」と位置づけられていた。これは、各国の国別目標を京都議定書のような国際条約として国際的に公約させるのではなくて、あくまでも各国の国内的な目標と位置づけるという意味を持つ。残り少ない交渉期間で条約化は困難なので、今回は政治合意としておき、いずれ拘束力のある新議定書を締結するというのである。
Special Topics
バックナンバー
- 第117回
- 人民元切り上げ拒む中国のエゴに、 日本政府はしたたかで賢い対応を (2010年03月19日)
- 第116回
- NTTグループには大誤算? 原口総務相の経営形態見直し指示 (2010年03月12日)
- 第115回
- 国民に重税を強いる悪夢 「温暖化対策法案」を急ぐ政府への不信 (2010年03月05日)
- 第114回
- 有料モデルの逆襲はなるのか? 電子版開始に見える日経新聞のジレンマ (2010年02月26日)
- 第113回
- 政治の玩具から抜け出せない郵政改革 参院選睨み、国営回帰目指す国民新党 (2010年02月19日)
- 第112回
- JAL稲盛会長がアメリカン選択を決断した深刻なる理由 (2010年02月12日)
Pick Up
新着トピックス
- 野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
- 「円高こそデフレの原因」説の怪しさ ──今こそ必要なデフレの経済学(6)
- 日本を元気にする企業の条件
- ホンダ、ヤマハ発、味の素、住友化学… 日本企業にもあるBOP市場開拓のネタ
- 『週刊ダイヤモンド』特別レポート
- 市民による市長リコールもまだできない 阿久根市政“大混乱”の責任は誰にある?
- News&Analysis
- 苦境の地方空港に追い討ちも? 火種くすぶる「ハブ空港」議論の真実
- 岸博幸のクリエイティブ国富論
- 日本のためにならない「FREE」礼賛論を疑え!
- 追跡!AtoZ ~いま一番知りたいテーマを追う!超リアルドキュメント
- 大ヒット商品が続々「特許切れ」へ。 2010年以降、もう「新薬」は生まれない!?
- チャンスを逃さない! 今どき「住活」事情 By SUUMO(スーモ)
- エコポイントがなくても人気は絶大? 想像以上に盛り上がる「エコ住宅」ブーム
- 働き盛りのビジネスマンを襲う 本当に怖い病気
- 手足のひび割れと関節痛が同時に!? 骨の変形をも引き起こす皮膚病の正体
ダイヤモンドオンラインplus 知っておきたい価値ある情報
最新の連載一覧
経済・時事
経営・戦略
スキル・キャリア
Diamond Premium 最新記事 無料会員登録すると全文が読めます
- 公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略
- “不況に強い”にも関わらず売上急減!? 医薬品業界を襲う「2010年問題」とIFRS
- 金融市場異論百出
- 超インフレ国はジンバブエのみ 世界が学んだ「最低限の規律」
- 週刊ダイヤモンド 企業特集
- ユニー 前村哲路社長インタビュー 「現場の自由裁量権を広げ 個店経営のウエートを高める」
- 『社会貢献』を買う人たち
- キレイになって、途上国を支援! 女性の飽くなき「美への探求」が生んだ、一石二鳥のビジネスモデル
- 山崎元のマネー経済の歩き方
- 対等合併の呪

- 岡野工業・岡野代表エッセイ
- “神の手をもつ男”岡野雅行氏が日本の物づくりに「常識を捨て去れ」と喝!

- DOL編集部のツイッターを開始
- 最新記事の話題から編集部の日常まで、24時間つぶやきます。フォローよろしくお願いします。
Business information
著者プロフィール
- 町田徹
(ジャーナリスト)
1960年大阪府生まれ。神戸商科大学(現兵庫県立大学)卒。日本経済新聞社に入社後、記者としてリクルート事件など数々のスクープを連発。日経時代に米ペンシルバニア大学ウォートンスクールに社費留学。同社を退社後、雑誌「選択」編集者を経て独立。日興コーディアルグループの粉飾決算をスクープして、06年度の「雑誌ジャーナリズム賞 大賞」を受賞。「日本郵政-解き放たれた「巨人」「巨大独占NTTの宿罪」など著書多数。
この連載について
硬骨の経済ジャーナリスト・町田徹が、経済界の暗部や事件を鋭く斬る週刊コラム。独自の取材網を駆使したスクープ記事に期待!
アクセスランキング
- 2位
- 週刊・上杉隆
- 元秘書として鳩山邦夫氏に苦言を呈す 信念の見えない離党に意味はあるのか?
- 3位
- News&Analysis
- 日本が望みを託す宇宙開発の切り札! 「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ
- 4位
- China Report 中国は今
- 優秀な中国人学生を採用できなくなった日本企業
- 5位
- 評価が上がる!上司を味方にする技術
- 上司に好かれる話の聴き方、嫌われない質問の方法
Recommend 話題の記事
- China Report 中国は今
- 優秀な中国人学生を採用できなくなった日本企業
- 田中秀征 政権ウォッチ
- 鳩山首相「発言のブレ」正当化に疑問を呈す
- News&Analysis
- 日本が望みを託す宇宙開発の切り札! 「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ
- 山崎元のマルチスコープ
- 官民一体の海外ビジネス受注期待を怪しむ
- ミドルマネジャーのための「不機嫌な職場」改革講座
- この閉塞感はどうにもならないのか? 組織の成果を最大化する人事制度とは
- SPORTS セカンド・オピニオン
- 大リーグ球団にとっての、日本人選手の価値を考える
- 政局LIVEアナリティクス 上久保誠人
- 参院選がどう転んでも、 政界の「世代交代」加速は止められない

- 【PrimeTime】トップインタビュー
- 「サービス力は人財力と組織力の掛け算」~百瀬次生・日立電子サービス社長

- 【THEProject】プロダクトとサービス最前線
- 現実味帯びる「IFRS」。最新会計基準対応処理システムを低コストで提供
雑誌定期購読のご案内
特大号・特別定価号を含め、1年間(50冊)市価概算34,500円が、定期購読サービスをご利用いただくと25,000円(送料込み)。9,500円、約13冊分お得です。さらに3年購読なら最大49%OFF。
1冊2,000円が、通常3年購読で1,333円(送料込み)。割引率約33%、およそ12冊分もお得です。
特集によっては、品切れも発生します。定期購読なら買い逃しがありません。
年間12冊を定期購読すると、市販価格8,400円が7,150円(税・送料込み)でお得です。お近くに書店がない場合、または売り切れ等による買い逃しがなく、発売日にお手元へ送料無料でお届けします。
※別冊・臨時増刊号は含みません。
偶数月の1日発売(隔月刊)。1年購読(6冊)すると、市販価格 5,880円→4,700円(税・送料込)で、20%の割引!
※別冊・臨時増刊号は含みません。
お知らせ・ご案内
- 会員専用ページ開始のお知らせ
- 7月より一部の記事で、無料会員登録した方だけが全文を読める形に変わりました。詳細はこちらをご覧ください。




