【09/12/12号】 2009年12月07日
ムダな公共事業、危ない企業はこれだ!
「ゼネコン消滅列島」の現状を徹底リポート
毎年恒例となりました『週刊ダイヤモンド』のゼネコン特集。今回のタイトルは、「ゼネコン消滅列島」です。「列島」の文字があるように、全国各地の公共事業や地方ゼネコンの実情に焦点を絞ったのが特徴です。
ご存じの通り、自民党から民主党へ政権が代わり、「公共事業の大幅削減」という方針が打ち出されました。地方のゼネコン各社や地方経済に大きな影響を与えるのは、必至です。
そこで編集部では、全国のダム、道路、農業土木、港湾などの公共事業を総点検し、具体的な事例を採り上げ、「どのくらいのお金が投じられているのか」「無駄な公共事業はないか」「なぜ、無駄と言われながらも続けられてきたのか」などを解説しているほか、北海道や北陸など「ゼネコン王国」と呼ばれた地方レポートも掲載しています。
もちろん、全国のゼネコン1117社を対象にした恒例の「経営危険度ランキング」も掲載しています。今回のランキングでは、こうした公共工事の激減リスクを反映するために、「公共工事依存度」(土木工事比率)に関する指標を、新たに加えているのが特徴です。
道路やダムなどの公共事業には「小さく産んで、大きく育てろ」という言葉があります。概して公共工事は、当初計画よりも工期が長くなり、事業費がどんどん膨らむため、結果として、選挙対策として利用したい政治家、多くの予算確保を目指す官僚、稼ぎたいゼネコンなど、利害関係者に“うま味”が生じる構造になっています。
そのぶん、国民の税金は無駄に投じられます。奈良県の大滝ダムでは、なんと当初予算の16倍まで事業費が膨らみました。今回、こうしたダムや道路の「予算膨張率ランキング」も掲載しています。
日本の公共工事は、道路1つとってみても、とかく立派で多額のお金がかかっているものが多いです。たとえば、圏央道の高尾山トンネル工事区間では、取水工事などの手間もあり、コストが1メートル当たり1億円、1センチ当たり100万円にもなります。1万円札100枚の札束は、ちょうど1センチ程度です。つまり、さながら“100万円の札束を立てて並べた道路”ということなります。
一方で、費用対効果が乏しくても、地域住民にとっては「本当に必要な公共工事」というものもあるでしょう。「コンクリートの背後には人がいる」「年が越せない」という中小建設業者の嘆きも聞きます。
前原誠司国土交通大臣が言うように「ゼネコンは海外に行くか、農業や介護・福祉をやれ」と言われても、急にはできないでしょう。現在のところ、“即効性”という面において、公共工事に代わる経済対策が見つからないのも確かでしょう。
しかし、公共工事もかつてほどの経済効果はなくなりました。たとえば道路に関しては、「造ったためにむしろ過疎化が進んだり、地元の商店街が廃れてしまった」という話は尽きません。だからこそ、見直しの声が高まってきたのでしょう。
日本の公共事業が抱える問題は、つきつめれば、「本当に住民や国のために必要か否か」というよりも、政治家や官僚、地方自治体などの大きな利権の温床となり、「“政治的な道具”と化してしまった」ということなのではないでしょうか。そもそも事業決定までの過程も不透明です。
これから公共事業をどうすべきなのか、建設業はどうあるべきか、真剣に考えたい読者はぜひご購読ください。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 山本猛嗣)
Special Topics
バックナンバー
- 10/03/13号
- ベストセラー『FREE』の世界が現実に? 拡大する「0円ビジネス」を徹底解剖 (2010年03月08日)
- 10/03/06号
- 今こそマンションは買い!? 業界が期待する“マグマ説”を検証する (2010年03月01日)
- 10/02/27号
- ソニー、パナソニックはなぜ勝てない? 韓国の巨人「サムスン」グループの凄み (2010年02月22日)
- 10/02/20号
- 誤解だらけの年金!子や孫のためにも 制度の基本と矛盾を正しく知ろう (2010年02月15日)
- 10/02/13号
- 巷に溢れる悪徳業者を見極めよう! 困らない「葬儀」のイロハを徹底解説 (2010年02月08日)
- 10/02/06号
- 不況にめげない小売企業の秘密とは? 外資が招く「ファッション戦争」第2幕も (2010年02月01日)
Pick Up
新着トピックス
- カツラーは今日も闘っているのだ!
- カメラは、カツラーの天敵である
- 「引きこもり」するオトナたち
- 成績優秀なのに仕事ができない “大人の発達障害”急増の真実
- 評価が上がる!上司を味方にする技術
- 上司に信頼される人が実践する コーチングアップ「3つのR」とは?
- inside
- 民主党vs自民党の密かな争い JAL問題の責任追及合戦
- これが気になる!
- もはや「婚活」まで神頼み!? 若者が神社や寺院に“萌えまくる”理由
- 梶井厚志 コトバの戦略的思考
- 「長崎の魚石」
- 堀尾研仁の“使える!ゴルフ学”
- 【第33回】アマチュアゴルファーのお悩み解決セミナー Lesson33「つま先上がりとつま先下がりの傾斜を攻略する」
ダイヤモンドオンラインplus 知っておきたい価値ある情報
最新の連載一覧
経済・時事
経営・戦略
スキル・キャリア
Diamond Premium 最新記事 無料会員登録すると全文が読めます
- 金融市場異論百出
- 「やり過ぎ」とブーイングを 浴びるFRB、正反対の日銀
- 週刊ダイヤモンド アーカイブズ
- クリス・アンダーソンとロングテール理論をおさらい!ネットが動かしたニッチ商品の驚くべき市場規模
- 『週刊ダイヤモンド』特別レポート
- 日本のテレビ業界が復活するには 「キー局の合従連衡」が待ったなし
- 山崎元のマネー経済の歩き方
- 成長のための資産運用の落とし穴
- 野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
- デフレに関する典型的な3つの誤解 ──今こそ必要なデフレの経済学(4)
- 公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略
- 不況と電子化が業績に直撃! キヤノン&リコーの来し方行く末

- 「測るための標準」を考える
- 紀元前2500年頃に造られたピラミッドの建築に当たっては、常に同じサイズの石を…

- DOL編集部のツイッターを開始
- 最新記事の話題から編集部の日常まで、24時間つぶやきます。フォローよろしくお願いします。
Business information
アクセスランキング
- 1位
- エコカー大戦争!
- トヨタの電子制御問題に隠れた事実! アメリカ人特有のアクセルの踏み方
- 2位
- はい上がれる人、はい上がれない人――「負け組社員」リベンジの十字路
- 「負け組御用達スナック」の恐るべき魔力! 過去の栄光話から抜け出せない常連客たち
- 3位
- Close-Up Enterprise
- 富士通 野副前社長 “解任”取り消し動議の全真相
- 4位
- 日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男
- 日本と同じ感覚では決して勝てない! 中国ビジネスで失敗しない“秘訣10ヵ条”
- 5位
- 業界別 半年先の景気を読む
- 富裕層ビジネス最前線! 不況でも勝ち残る高級ブランドの条件
Recommend 話題の記事
- 山崎元のマルチスコープ
- 上場企業は安定株主に甘えるな
- 辻広雅文 プリズム+one
- 富士通とトヨタに見る“日本的ガバナンス”の崩壊~なぜ取締役会は経営監督機能を果たせないのか
- Close Up
- 大阪百貨店戦争ミナミで幕開け 続々増床で高まる共倒れ懸念
- ビジネスモデルの破壊者たち
- ユニクロ戦略の一歩先を行く 格安デパート「ターゲット」の快進撃
- 今週のキーワード 真壁昭夫
- 日本はギリシャの二の舞になるのか? 戦後最大の「大赤字予算」の行方
- Close-Up Enterprise
- 富士通 野副前社長 “解任”取り消し動議の全真相
- エコカー大戦争!
- トヨタの電子制御問題に隠れた事実! アメリカ人特有のアクセルの踏み方
- 日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男
- 日本と同じ感覚では決して勝てない! 中国ビジネスで失敗しない“秘訣10ヵ条”
- 野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
- デフレに関する典型的な3つの誤解 ──今こそ必要なデフレの経済学(4)
- 今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ
- ベストセラー『FREE』の世界が現実に? 拡大する「0円ビジネス」を徹底解剖

- 【PrimeTime】トップインタビュー
- 「サービス力は人財力と組織力の掛け算」~百瀬次生・日立電子サービス社長

- 【THEProject】プロダクトとサービス最前線
- 現実味帯びる「IFRS」。最新会計基準対応処理システムを低コストで提供
雑誌定期購読のご案内
特大号・特別定価号を含め、1年間(50冊)市価概算34,500円が、定期購読サービスをご利用いただくと25,000円(送料込み)。9,500円、約13冊分お得です。さらに3年購読なら最大49%OFF。
1冊2,000円が、通常3年購読で1,333円(送料込み)。割引率約33%、およそ12冊分もお得です。
特集によっては、品切れも発生します。定期購読なら買い逃しがありません。
年間12冊を定期購読すると、市販価格8,400円が7,150円(税・送料込み)でお得です。お近くに書店がない場合、または売り切れ等による買い逃しがなく、発売日にお手元へ送料無料でお届けします。
※別冊・臨時増刊号は含みません。
偶数月の1日発売(隔月刊)。1年購読(6冊)すると、市販価格 5,880円→4,700円(税・送料込)で、20%の割引!
※別冊・臨時増刊号は含みません。
お知らせ・ご案内
- 会員専用ページ開始のお知らせ
- 7月より一部の記事で、無料会員登録した方だけが全文を読める形に変わりました。詳細はこちらをご覧ください。





